関西女子校の最高峰に君臨する神戸女学院中学
神戸女学院中学の歴史は古く、米国伝道会から派遣された2人の女性宣教師が神戸に私塾を開校したことが始まり。「神を愛し、自分を愛するように隣人を愛する」というキリスト教精神に基づいた全人的教育を行っている神戸女学院では、自由を尊ぶ校風の中、自立心を養い、自分と同じように他者の個性も尊重する人間味豊かな女性の育成を教育の目標としています。神戸女学院中学では、中学部・高等学部ともにコース分けの制度がありません。理系・文系といったクラス編成もなく、高等学部では進路希望に応じたカリキュラムを自主選択することができます。
知識偏重を排し、進学実績とは別のところに教育の重心を置いている同校では、学校の方針として大学進学実績は公表されていませんが、卒業生の多くが難関国公立大学に進学しています。
自由・自治を尊重。創立以来、制服はなし
神戸女学院中学は、創立以来、制服がありません。「制服がなければ、服装が派手になりがちでは?」と心配されるかもしれませんが、そこは関西女子校の最難関として君臨する神戸女学院。生徒自身が学生としてふさわしい服装について考えながら、それぞれの個性やセンスを磨いています。また、体育祭や文化祭などの学校行事や、有志によるさまざまなボランティア活動の企画・運営は、生徒の自主活動によって行われています。ボランティア活動では、中学部・高等学自治会が実施する年2回の大阪あいりん地区への炊き出し、震災や海外での飢饉に対する援助募金など、社会に目を向け自分たちにできることを見つけ、積極的に関わる姿勢が大切にされています。
チャレンジ精神と、その可能性を伸ばしていける資質を持った生徒たちが集まる神戸女学院だからこそ実現できる教育方針かもしれません。
英語授業は原則として日本語を使用せず
神戸女学院中学の英語教育では、長年英語教育に尽力したアンジー・クルー女史によるメソッドで英語の基礎固めが行われています。中学1年の授業は「聴く」ことからスタート。週6時間の英語授業のうち、3時間がネイティブスピーカーの教師と日本人教師のペアティーチングによって行われ、ネイティブスピーカーの発音を真似ることから英語学習を開始。中学3年間では英語授業は原則として日本語を使用しません。週6時間英語を聴き、話すことでリスニング力が養われ、英語で思考することができるようになっていくのです。
歌やゲームなどの生徒が積極的に参加できるものを多く取り入れることによって、英語に対する抵抗感が解消される工夫もなされています。
高等学部では、所定の条件を満たせば1年間の留学が単位換算される制度があり、生きた英語と異文化に触れながら国際感覚を身につけていく機会も整えられています。