国際戦略車という位置づけの「イグニス」は魅力的な存在か?
軽自動車で苦戦続きのスズキが、『イグニス』という普通車ナンバー登録のコンパクトカーを出してきた。“国際戦略車種”という位置づけの新世代プラットフォームを採用しており、デザインもなかなか。まだ試乗会が行われていないためハッキリ言えないものの、850kgという軽いボディに1200ccエンジンを搭載しているため、動力性能は相当期待してよかそう。
また、簡便なシステムのハイブリッドを全グレードに採用し、JC08燃費で28.8km/Lという良好な数字をカタログに載せている。普通のクルマにも付いている発電機を一回り大きくし、ブレーキ時に回生。加速時に軽くアシストする超簡易式なのだけれど、安価なレーザーを使う簡易式の自動ブレーキを「レーダーブレーキ」と表記してしまうスズキらしさが出ています。
室内スペースは軽自動車作りでノウハウを持つスズキだけに、十分な実用性を確保している。同じカテゴリーのライバルとなる日産マーチや三菱ミラージュ、トヨタ・パッソは、成人男性だと後席の居住性が圧倒的に足りない。イグニスのリアシートを見るとホンダ・フィットにこそ届かないけれど、トヨタ・ヴィッツやマツダ・デミオなど一クラス上のモデルより確実に広い。
日本車では初となるアップルカープレイに対応
国際戦略車種とあり、ユーザーの感心が高い安全性も万全である。クラスTOPなのは2つのカメラを使う自動ブレーキ。スバルのアイサイトを少しダウングレードしたシステムで、停止している車両にノーブレーキ50km/hで接近して衝突しない性能を持っている。さらに歩行者まで検知可能。サイド・カーテンエアバッグとセットで9万7200円だからお買い得だと思う。
さらに、日本車で初めてアップルカープレイに対応してきた。オプションのハーマン製ナビ(TVやオーディオ、全方位を映すカメラまで含んで14万4千円)を選ぶと標準で付いてくる。手持ちのiPhoneとリンクさせることが可能で、今までの車載型コミュニケーションツールの中では圧倒的な機能を持つ。ナビは遠からずアップルカープレイに席巻されてしまうと思う。
純正ナビと言えば「高い!」と不評ながら(新型プリウスも30万円する)、アップルカープレイが普及すれば、ガラパゴスな日本のナビなど淘汰されてしまうだろう。ちなみ近々アンドロイドを使うグーグルカープレイも加わるそうな。イグニスを買うなら絶対に装着することをすすめたい。というか、いち早く採用してきたスズキの判断力はスゴイと感心します。
以上、しっかりした動力性能を持ちながら燃費抜群。実用的な室内空間を確保し、安全装備文句無し! さらにエンターティメントシステムは現時点で日本唯一のアップルカープレイときた。価格は138万2400円から。安全装備とナビを付けフル装備にしても162万円。内容を考えれば相当魅力的なクルマに仕上がっている。試乗出来たらすぐにレポートしたい。
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