新型スペーシア/カスタムのライバルはホンダN-BOX、ダイハツ・タント

スズキ・スペーシア

こちらはノーマル仕様のスズキ・スペーシア。カスタムも含めてボディサイズは全長3395×全幅1475×全高1785mm。


2017年12月、スズキ・スペーシアがフルモデルチェンジを受けて2代目にスイッチした。軽自動車のスーパーハイトワゴン(トールワゴン)では、現王者といえるホンダN-BOX、3年くらい前まで圧倒的な強さを誇ったダイハツ・タントがあり、販売面ではこの2台の後塵を拝していた。

しかし、先代スペーシアの美点はその走りの良さで、背が高いにもかかわらず「意外に走る」という印象。背の高いモデルが苦手とする山岳路やコーナーでも比較的安定、フットワークも悪くなく、高速道路の巡航時でも横風安定性の高さを披露してくれていたのだ。

広く、使いやすくなった新型スズキ・スペーシア/スペーシアカスタム

スズキ・スペーシアカスタム

迫力ある顔つきが特徴のスペーシア カスタム。価格はノーマル仕様のスペーシアが133万3800円~158万9760円。スペーシア カスタムが157万6800円~190万8360円


一方で、大切な第1印象の「広さ感」や見た目の立派さという点では、物足りなさがあったのも確か。広さでは、全高を50mm高くして、さらにルーフ四隅をできるだけ上方向に延ばし、室内高を35mm高くしている。さらに、前後席のヒップポイント(着座位置)を高くすることで、見晴らしがよく、広々感のある開放的なキャビンを獲得している。

さらに、スーツケースをモチーフとしたというユニークな内・外装に加えて、フロントマスクの大半が大型フロントグリルでは? と思わせる迫力あるカスタムの存在により、見た目のインパクトはN-BOXやタントを上回るほどの存在感を与えた。

背が高くなっても走りの良さは健在

スズキ・スペーシア

助手席前のインパネボックス(引き出し式)など、スーツケースをイメージしたデザインが内装にも施されている


さて、試乗前で気になるのは、背が高くなったことで、美点であった走りの良さが損なわれていないか? という点だ。街中や短い距離ではあったものの高速道路も走らせると、ハイト化による懸念は杞憂に終わったのが分かった。

高速道路のコーナーでもグラリとボディが傾いてしまうシーンは少なく、さらにコーナーで「曲がらない」という欠点も常識的な速度内なら顔をのぞかせることは少ない。山岳路などで走らせる機会は今回はなかったが、これなら街中から高速道路でも十分頼りになる相棒といえそうだ。

スズキ・スペーシア

前後席ともに着座位置が高くなり、全高(室内高)も高くなったことで、見晴らしがよく、しかも開放感が高まっている


NA、ターボエンジンともに全車マイルドハイブリッドになる新型スペーシア/スペーシア カスタムは、CVTとの組み合わせ。NA、ターボともにスムーズな走り出しが好印象で、加速時は最長30秒間のモーターアシストもあって、1人乗車ならNAエンジンでも力良さが得られる。

さらに、ターボであれば加給が始まると、予想よりも中間加速が鋭く、新設定されたパワーモード(PWR)を押すと軽自動車でも高速道路の流れを容易にリードできるほど力強い。なお、RA06A型エンジンは、吸気系の部品に走行風を直接当てて、冷却効果を高めるエアガイドにより燃費を向上させ、CVTも約5kgの軽量化が果たされていて、走りと燃費向上に寄与しているという。

そのほか、スズキの美点であるアイドリングストップからの復帰時の音も振動もよく抑えられている。

使い勝手も向上

スズキ・スペーシア

後席は左右別々に前後スライドが可能で、前寄りに座って大きめのラゲッジスペースを確保できる


実用面では、広くなったキャビンだけでなく、後席の格納が従来のダブルフォールディングから背もたれを前倒しするだけでフラットに倒せるようになるなど、居住性の向上も見逃せない。
スズキ・スペーシア

荷室の開口高が先代よりも40mm高くなり、地上からの荷室開口地上高が低くなったことで、自転車などの大きな荷物の出し入れがしやすくなった。開口部下側には自転車のタイヤが載せ下ろししやすいように、ガイド(溝/切れ込み)が用意されている


安全面では、軽自動車初の後退時ブレーキサポートをはじめ、衝突被害軽減ブレーキなどが標準装備される。ほかにも、フロントガラス投影式ヘッドアップディスプレイや全方位モニター用カメラパッケージに3Dビューが搭載されるなど、、軽自動車初の装備が設定されている。

独身の方やディンクスはもちろん、ファミリーまで使える新型スズキ・スペーシア/スペーシア カスタムといえるだろう。

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