世界戦略車ゆえに、手抜かりのない仕上がり

うっそ~。ひと昔前のギャル語が思わず口に出そうになり、あわてて言葉を飲み込んだ。そのくらい衝撃的だ。どうしちゃったのだ、スズキ? このスイフトの仕上がりのよさは?

デザイン的にも安っぽさがなくなり洗練された。オレンジや赤のボディカラーもお洒落
デザインは確かに洗練された。赤やオレンジといったボディカラーをまとった姿も洒落ていて、見た目的にはかなりイケている。しかし乗り心地はいかがなものか。なんたって「軽ナンバーワン」と堂々と軽自動車メーカーをアピールするスズキである。こういっちゃなんだが、リッターカークラスは片手間に作っている感が否めなかった。

けれどけれど。スイフトに乗った瞬間、いや、運転席に座ってドアを閉めた瞬間の音の快さ。ここでまずびっくりである。さらに車内に広がる外部との遮断された心地よさ。眼前にあるインパネの質感。あれ、これってスズキのクルマだったっけ? と頭のなかに「?」が浮かんでくる。

そしてエンジンを始動して走り出すと、それこそ「うっそ~」なのである。エンジン音の軽快さ、振動の少なさ、シフトアップするときの気持ちよさ。そしてなによりハンドルをきったときの手ごたえ感と応答性のよさ。これではまるでドイツ車ではないか。スズキに限らず、こんなにステアリング・フィールの確かな国産コンパクトカーがいままであっただろうか。いや、ない。

インパネも質感がグンとアップ。今までのスズキにはなかったクオリティ
実はこのとき私はふたりの同業ジャーナリストといっしょに乗っていた。そして3人して目が点になっていた。我々の行き着いた結論は「これはオペル・メリーバの骨格であろう」ということだ。申し訳ないが、スズキにここまでのクルマは作れないであろうということ。ならば同じGMグループの一員であるオペルの同クラスのクルマを母体に作ったに違いないという判断だ。

しかし違った。GMに確認すると「関与していません」。そしてスズキに尋ねると「はい、100%自社製です」。あちゃ。

スズキいわく、これまではコスト削減を第一にかかげ軽自動車をベースとしたクルマ作りを行っており、リッターカーへの独自開発費用がとれなかったらしい。けれど今回のスイフトは日本、中国、ハンガリー、インドと同時生産開始する世界戦略車であり、今後逆に同じGMグループの小型車の母体となる骨格ゆえ(次は05年にイタリア・フィアットのSUVになるらしい)、徹底的に予算と時間をとって開発した、ということだ。

シートもスポーティな形状でなかなかのホールド性
オペルからは「関与していません」という回答だったものの、そこはそれ直接携わってはいないかもしれないが、今後、オペルも使う骨格となるとやはりヨーロッパで売るための基準やノウハウの伝達というのは、それなりにあったことだろう。そしてスズキもそのリクエスト、並びハードルをひとつづつ着実にクリアしていったということだ。

そしてできあがった極上リッターカー・スイフト。スズキ、やればできるんじゃん!

当然のことながら、この「スイフトめちゃいい」の事実はクルマ業界を駆け巡っている。ジャーナリストのあいだはもちろん、ライバルメーカーの技術者、担当役員がぴりぴりしている。おそらくどこも早々に買い求め、試乗し分解し研究していることだろう。

みなさん、本当に「うっそ~」なくらい、いいんだから。だまされたと思って、一度、試乗してみてください。

関連サイト
期待のNEWスイフトがデビュー
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