大阪・土佐堀に実力派イタリアンが誕生「キオッチョラ」
「キオッチョラ」の外観
近年、大阪市の中でもキタやミナミの都心ビジネス街に近い「西区」は食住近接のマンションが続々と建設されて若年人口が急増するにつれ、お洒落なカフェやレストランもあちこちに新たにオープンしています。こんな勢いのある西区の中でも地下鉄「阿波座駅」付近は大阪における居住地として特に人気のエリアですが、駅から徒歩数分の土佐堀通沿いに2015年末、肩肘張らずに通えるイタリアンが登場しました。
その名は「
キオッチョラ(Chiocciola)」(イタリア語で「かたつむり」という意味)。シェフは西天満の名店で3年半スーシェフを務められていた、徳島出身の谷和浩さんです。
「キオッチョラ」の店内
店は土佐堀通沿いのマンションの一階にありますが、まずはシェフ自ら白いペンキを塗った約1700本の釘を打ちつけて作られたという「Chiocciola」の文字が目を惹きます。まるで現代美術といってもいいほどの仕上がり! 店内に入ると、右手の木作りの壁と棚に年季の入ったレコードジャケットが飾られていて、この壁もシェフの手作りと聞いて、料理だけでなくアートの才能も半端ではないことに驚かされます。貴重なレコードジャケットの数々は給仕を担当される奥様の、父上が喫茶店を営まれていたころ集められたものとか。席はおひとりさまでもシェフの真ん前に陣取れる左手のカウンター席と、ゆったりとした空間にテーブルが4卓設けられていて、様々な使い方ができそうです。
夜の御料理より
ウニのフランとサーモンのマリネ
それでは、夜の料理からいくつかピックアップして御紹介していきましょう。
・温野菜、タルタルソースを添えて
温野菜、タルタルソースを添えて
こちらはメニューにはない料理ですが、シェフと相談して作っていただいた一皿。野菜を食べたい時など客の好みに合わせてフレキシブルに対応してもらえるのは嬉しいですね。どの野菜も素材味を引き出した丁寧な火入れですし、タルタルソースとも好相性。
・仔牛のモツ煮込み
仔牛のモツ煮込み
モツ煮込みというとトマト煮込みのイメージがありますが、「キオッチョラ」のモツ煮込みはマルサラ酒と白ワインのみでシンプルに煮込んだ「モツ・ビアンコ」スタイル。とろけるように柔らかく煮込まれたモツは、深いコクのあるソースが沁み込んでおり、実にワインを誘う味わいとなっています。とろ~りと絡むグラナパダーノも良きアクセント。さらに、北イタリア料理ならではのサルサヴェルデもたっぷりと添えてあり、これを一緒に合わせて食すと旨いのなんの! 見た目、味、ボリュームと、三拍子揃った記憶に残る一皿となりました。
・2種の蟹のフレッシュトマトのアーリオ エ オーリオ
2種の蟹のフレッシュトマトのアーリオ エ オーリオ
プリモ・ピアットは「2種の蟹のフレッシュトマトのアーリオ エ オーリオ」! 通常メニューとは違い、今回のパスタは手打ちのタヤリン(ピエモンテ州アルバ地方ランゲ発祥の細いパスタ)に変更してもらっておりますが、このタヤリンも程好いコシがあり、旨味ソースとも良く絡んでくれるのです。ズワイガニとワタリガニのWテイストの仕上がりはもちろん、ドーン!と盛られたワタリガニのインパクトがイタリアらしくて良いですね。
・仔羊の炭火焼き
仔羊の炭火焼き
セコンド・ピアットは炭火で精妙に焼き上げられた仔羊と、そのジュ(出汁)を使ったソース。こういう炭火焼料理はシンプルだからこそ美味しく作るのが難しいものですが、炭火で素材を活かしきったこの仕上がりの高さはさすがですね。野菜が気前良くたっぷり入っているのも嬉しいポイントです。
アットホームな雰囲気の中で
シェフの谷さんは確かな腕で、メニューにないものやメニュー以外の調理法にでもフレキシブルに対応してくださいます。只今4ヶ月のベビーの世話をしながら明るくサービスされる奥様との息もぴったり。毎週でも通いたくなるほど懐に優しく、しかも塩気控え目が嬉しい繊細な味わいの、「さすが大阪!」と思わず快哉を叫びたくなるイタリアンが土佐堀に誕生です。
<DATA>
・店名: キオッチョラ
・所在地:大阪市西区土佐堀3丁目3-10 土佐堀コーポラス1F
・アクセス:大阪市営地下鉄「阿波座駅」徒歩約6分
・地図:
Yahoo!地図
・TEL:06-6479-2249
・営業時間:2016年1月現在、ディナー営業のみ。
お店の近況や詳細データは「キオッチョラ」のfacebookページでご確認くださいませ。
https://www.facebook.com/chiocciola.osaka