「ごろごろスタイル」を実現するには、床座で過ごしやすい空間に
くつろぎの場にはソファ、食事の場にはテーブルと椅子、というのが多くみられるリビング・ダイニングのスタイル。空間のつくりも、それらを置くことを前提としたプランが一般的でしょう。しかし、椅子に座るのではなく、床に座って胡坐をかいたり、ごろごろと寝転びくつろぎたい、というのであれば、空間のつくりも、床座(床に直に座って暮らす)のスタイルにあったプランを検討してみてはどうでしょうか。床座スタイルは、自由な姿勢でくつろぐことができるのはもちろん、少ない家具で過ごすことができ、空間を広くフレキシブルに使えることがメリット。畳を用いた和室に暮らしてきた日本人にとっては馴染みのあるものです。居心地のよい床座空間をつくる方法としては、和空間の要素を取り入れるのもひとつの方法。特に、心地よい床材を選ぶことは重要ですし、低い視線となるので、窓の高さやテレビや家具などの配置にも配慮が必要でしょう。その他、暖房設備プランも充分に検討しておくことが大切です。
和室や畳スペースをプランニングする
モダンな空間にも馴染む置き畳。[ZIPANG ここち和座 置き敷きタイプ・彩園] DAIKEN
また、本格的な和室ではなく、畳スペースを設けたプランもごろごろスタイルに向いています。リビングの一角に畳を敷きこんだり、小上がりのようなスペースをプランニングしてもいいでしょう。その他、置き畳を利用すれば、用途に合わせて自由にレイアウトできるため、ライフスタイルに合わせて使用することも可能です。
畳スペースについては、次の記事にまとめています。
リビングに続く畳スペースに適した建材アイテム
床、畳スペースetc. 迷いがちな内装建材 違いはココ
肌触りのいい床材を選びたい
心地よい床座スタイルの空間をつくるためには、床材選びに充分な配慮をしたいものです。畳素材は、ごろごろスタイルに適しているものですが、天然木のあたたかみのある無垢や突板タイプのフローリング、弾力性のあるコルクタイルも向いています。もちろん、カーペットやラグなどを敷いてもいいでしょう。清潔さを保つことができる、お手入れしやすい素材を選ぶことが大切です。フローリングや自然素材の床材については、次の記事にまとめています。
フローリング、コルク、畳etc. 床材の種類と特徴
ナラ、パイン、スギetc.無垢フローリングの種類と特徴
床暖房を取り入れて快適さを高めても
心地よい暖かさがくつろぎの時間を生み出す。[温水式/仕上げ材一体型床暖房床 はるびよりHB] DAIKEN
床暖房やパネルヒーターについては、次の記事にまとめています。
床暖房の基礎知識
輻射熱でムラなく暖める 温水パネルヒーター基礎知識
堀ごたつを設けて家族が集まる工夫を
冬場には炬燵として、夏場はテーブルとして利用できる。[座卓シリーズ リーフスクウェア 3×6尺<チェリー>オールシーズンタイプ] DAIKEN
堀ごたつや暖炉については、次の記事にまとめています。
家族でほっこり 堀ごたつの種類と特徴&選び方
暖かさだけでなく癒しの効果も 薪ストーブの基礎知識
ひとりでごろごろしたいのなら、籠れる空間をつくっても
ひとりで気兼ねなくごろごろしたい、という場合は、寝室や書斎といったプライベート空間のつくり方を工夫してみてはどうでしょうか。和室や畳敷きの空間としてもいいでしょうし、より籠れる空間とするために、天井を低めにしたり、ロフト部分にスペースを確保してもいいでしょう。書斎であれば、机がわりにカウンターを設け、堀ごたつのように足をおろせるようにしておくことで、そのまま、ごろっとすることも可能です。くつろぎのスタイルは、人それぞれ。ごろごろしたい、という希望でも、毎日なのか、休日なのか、ごろごろしながらテレビをみたいのか、本を読みたいのか、などによっても、取り入れたい設備や建材は異なるでしょう。家づくりやリフォームの際には、どんなくつろぎ方がしたいのか、家族みんなで話し合い、それぞれが心地よく過ごすことができる空間を実現するようにしたいものです。
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