「使っていいお金」と「使ってはいけないお金」がある

1年を通して、お金の使い方が一定である、という家庭は少ないでしょう。年末年始やGW、夏休み、4月は入学、進学シーズン、時には冠婚葬祭や病気・ケガなどの思わぬ出費と、毎月なにかしら、生活費以外にお金は出ています。
 
「使っていいお金」を分けて100万円貯める

「使っていいお金」を分けて100万円貯める


しかし、毎月の給料はほぼ一定。ボーナスがあれば、夏冬の特別な出費をまかなうこともできますが、毎月のやりくりで、さまざまな生活費以外の出費をまかなうのは、かなり厳しいのではないでしょうか。ボーナスがない会社員や自営業、フリーランスなら、なおさらです。

毎月、きちんと貯蓄をしている家庭でも、まとまった金額の出費のために、せっかく貯めた貯蓄を取り崩し、またイチからスタートの繰り返しでは、貯蓄意欲も半減してしまいます。

そうならないためには、「毎月の生活費用の口座」と、「特別支出用の口座」、さらには「取り崩さない貯蓄用口座」を分けておくと、家計管理もしやすく、貯蓄意欲を維持することができます。

生活費用口座は文字通り、日々の生活のためにかかるお金を管理します。特別支出用の口座は、旅行や冠婚葬祭、家電・家具など年に数回の支出に備える口座です。取り崩さない貯蓄用口座は、これらとは別にもう1つ作っておきます。

結局は、すべては自分のお金ではあるのですが、「特別支出用の口座=使っていいお金」と、「取り崩さない貯蓄用口座=使ってはいけないお金」に分けるだけで、「貯蓄したのに、取り崩してしまった」という挫折感を味わわずにすみまます。この挫折感を持たないことがお金を貯めるコツなのです。

貯めても貯めても、途中で使ってしまって、なかなか100万円に到達しない、というケースは、貯蓄口座を1つにしてしまっているからです。

昨年1年でいくら貯蓄ができたのか、と振り返るときに、「100万円貯めることができたけれど、そのうち40万円使ってしまい、結局60万円だった」というよりも、「毎月5万円貯蓄をして、1年で60万円貯まった」というほうが達成感は高くなるでしょう。

毎月の貯蓄額も、まとめていくらではなく、「特別支出用の口座=使っていいお金」と、「取り崩さない貯蓄用口座=使ってはいけないお金」に分けて貯蓄することが大事です。もちろん、住宅購入の頭金や子どもの教育資金といった使う目的が明確な貯蓄も分けておくことで、予定外の使途に使ってしまうことがなくなります。

当たり前といえば当たり前のことですが、貯蓄を別口座で管理できずに、貯めては取り崩す、この繰り返しをしている人は、もう一度、自分の貯蓄スタイルを見直してみましょう。
 

毎月の貯蓄とボーナスからの貯蓄

毎月の貯蓄がいくらなら適正なのかは、収入や家族の状況でも変わります。家計管理がしっかりできて、ムダな支出がないなら、収入から支出を引いた金額が毎月貯蓄に回せるお金になります。しかし、貯蓄下手な人は、家計管理ができていないことが多く、毎月の支出額を把握できていません。

そのために、貯蓄の基本である先取り貯蓄をする必要があるのです。100万円といった1つの目標を達成するためには、目標達成に必要な毎月の貯蓄額を決めて、給与天引きなどで、先に差し引かれる貯蓄システムを使うのですが、前述したとおり、貯蓄下手な人は、せっかく貯めても、予定外の支出のために取り崩して、結局1年経っても、大してお金が貯まっていない、ということになりがちです。こうした人は100万円貯めるという目標設定ではなく、まずは無理のない金額で積立貯蓄を始めることが、最初の目標になるのです。

そこで、「毎月2万円を先取り貯蓄しよう!」と考えたなら、1万円は財形貯蓄(勤務先が制度を導入している必要あり)など勤務先の給与天引き制度を利用、1万円は給与振込口座のある銀行で自動積立定期にする、といった方法も有効です。財形貯蓄は使わない、銀行の積立は、イザというときは使ってもよい、などと自分でルールを作っておけば、取り崩すことがあっても挫折感を持たずにすみます。

もちろん、1年の間に(せめて半年以内に)、毎月の支出をチェックし、さらに貯蓄できる額を捻出する必要はあります。しかし最初はいくらが適正な貯蓄額かわからないのですから、毎月1万円、2万円からのスタートでもいいのです。課題は支出のチェックと、自分が無理なくできる貯蓄額の把握です。これをいつまでにやるのかは、明確に決めておきましょう。

そして、ボーナスからの貯蓄。これも先取りしたいところですが、まずは支出予定とその費用を書き出すことから始めてもいいでしょう。書き出してみると、これは次のボーナスで買わなくてもいい、夏の旅行先はもう少し安いところにしようなどと意外と自制が働くものです。支出予定が把握できれば、想定できるボーナス額から差し引き、残ったお金を貯蓄に回せるのです。

財形貯蓄などの社内制度は積立額の変更の手続きに、締め切りが設けられているので、確実にボーナスから貯蓄をするのなら、すぐにでも会社に申請を行うようにしましょう。この手間を惜しむ人は、やはり貯蓄下手から脱出することは難しいでしょう。

こうしたことは、年初の計画だけではなく、日ごろからお金の出入りをチェックして調整していきたいものです。
 

口座だけではなく、マネー商品を使い分ける

ここまでのことは、実は、筆者が20代のころに実践していたことです。当時の勤務先に財形貯蓄制度はなく、社内預金のみでした。今では考えられない金利でしたので、本来なら全額、社内預金でもよかったのですが、引っ越しのたびに取り崩し、いつまでたってもお金が貯まらない、という感情を抱いていました。そこで、社内預金とは別に、給与振込口座の銀行で自動積立定期預金を始めたのです。

説明したように、社内預金は「使わないお金」、銀行の積立は「使ってもいいお金」と分けることで、それまで抱いていた挫折感、焦燥感は薄れ、自動積立定期預金も結果的にはあまり使わなくなり、住宅購入の頭金にもなりました。住宅購入の頭金でいえば、当時はボーナスなどのまとまったお金を積み立てられる専用のマネー商品がありました(旧・住宅金融公庫の「つみたてくん」)。マネー商品も使い分けることで、貯蓄下手だった筆者も、目的別にお金を貯めていくことができました。

今、住宅購入の頭金づくり専用のマネー商品はありませんが、たとえばネット銀行の定期預金や地銀のネット支店の定期預金など、普段とは違う口座を利用することで、確実に残していくことができるのではないでしょうか。10年変動の個人向け国債を買い増していくというのも手です。要は、普段とは違う銀行、マネー商品を活用することです。

日常の生活に追われていると、マネープランをじっくりと考える時間がなくなりますが、いつかやるではなく、4月になったら始めるのではなく、できるだけ早くスタートさせることが大切です。仕事と同じで、面倒なことを先延ばしにしても、さらに面倒になるだけです。1日も早い、貯蓄プランの見直しを図りましょう。

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