「ターミナル口座」は、貯蓄のコントロールセンターの役割がある

毎月、給料から社内預金、財形貯蓄、銀行の自動積立定期預金などを利用して、確実に積立貯蓄をすることが、お金を貯める王道です。これ以外に確実にお金を貯める方法はありません。

しかし、こうした社内制度がない、システマティックにできない、という場合には、給与振込の口座とは別に、「貯蓄用の口座」をもうひとつ、作るべきです(お金を貯めるには「銀行口座」の使い分けが新常識)。また、「金利120倍!定期預金は使わない!普通預金の新常識」の記事で紹介したように、あえて「定期預金」にしなくても、普通預金の金利が特別に高い銀行で貯蓄するのは、今どきの新常識です。

先取り貯蓄をしていても、それで安心してしまい、給与振込口座に預けっぱなしでは、やはり貯蓄を増やすことはできません。もっと金利の高い定期預金に預けたい、安全性の高い債券などで金利のいいものが出たら買いたい、という場合にも、「貯蓄用の口座」が資金移動の「ターミナル口座」となります。

お金の流れをまとめると、図のようなイメージになります。
 
ターミナル口座を使ったお金の流れ(イメージ)

ターミナル口座を使ったお金の流れ(イメージ)



貯蓄ができない、増えない、という人の多くは、給与振込口座が生活費口座であるとともに、預け替えをしないため、普通預金のまま蓄積されていくだけで、いくら貯めたのかという実感を持てません。あきらかに「これだけ貯めた、増えた」と実感する口座は別にしておくべきなのです。ボーナスなどのまとまったお金であれば、給与振込口座から、直接、有利なマネー商品に預け替えればOK。少しでも余分なお金が普通預金に残っていれば、ターミナル口座へ移し替えるのが、ベストです。
 

貯蓄用口座=ターミナル口座は、金利、手数料を意識して選ぶ

ターミナル口座の役割は、
1)生活費の口座である給与振込の口座から不要不急なお金をプールしておく。
2)
年に数回発生する特別支出の出金口座とする。
3)
100万円などまとまったお金になったら、より有利な貯蓄商品に預け直す。

この3つです。

このうち、1については、給与振込口座から振り替えや振り込みをしなければなりません。その際にかかる手数料は、給与振込口座のある銀行の取り決めに従うしかありません。勤務先で、給与振込を2カ所指定できれば、あらかじめ、生活費口座と貯蓄用口座に振り分ければOKです(大企業以外は難しいかもしれませんが)。2、3については、引き出す際のATM手数料、他行への入金のための振込手数料が、できればタダの銀行をセレクトする必要があります。

つまり、「ターミナル口座」は、ATM手数料、振込手数料がタダもしくは、月何回まではタダ、という銀行をセレクトすることが重要です。

せっかく移し替えるのなら、少しでも金利が高くなければ、預け替える意欲もわきません。ネット系の銀行は、普通預金金利が、都市銀行などに比べて、高いところが多く、さらにATM利用料、振込手数料が条件次第でタダ、もしくは月数回まで無料とすることころが多くあります。

 

口座を増やすことが目的なのではなく、お金の流れをシンプルにすること

筆者は、日頃、家計簿などを付けていません。フリーランスであるため、毎月の収支に変動があるということもありますが、必要以上に生活費口座にお金を入れていないので、あまり神経質にお金の管理をしなくてもいい、というのが理由です。

生活費口座は、地元の金融機関。ここから日々の生活にかかるお金が出ていきます。それ以外の、突発的な支出、いわゆる特別支出などは、ネット系の銀行の口座から出ていきます。このネット系の銀行が、私にとってのターミナル口座となっています。ここを経由して、投資のために証券会社への振込をするわけです。証券口座は、グループ内の銀行と連携しているので、一度投資のために振り込んだお金は、その証券・銀行グループの中に置かれています。

こうして、一度、お金の流れを作ってしまえば、貯蓄はいくらあるのか、投資に回しているお金はいくらなのかが明確にわかります。必要以上のお金を生活費口座に残していないので、家計簿をつけなくても、毎月、いくら以内で収めようという意識を持つこともできます。

家庭の事情や教育費の支払い、住宅ローン返済の有無などによって、お金の流れが複雑になるかもしれません。しかし、給与振込口座に滞留させることなく、次のお金の行き先を考えた「ターミナル口座」を1つ作ることで、お金の流れはシンプルになるでしょう。うまく貯蓄ができない、という人は、一度検討してみてください。


 
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