3分の2が元の勤務先の継続雇用
60代の働き方と収入
「60代の雇用・生活調査」(独立行政法人労働政策研究・研修機構、調査時期は平成26年)は、55歳時に会社員だった人の、その後の状況を調査したものです。
- 定年後に働いている人の3分の2は勤務先の再雇用や雇用継続によるもの
- うち8割は仕事の職種に変更なし
- ただし責任の重さが変わったのは3.5割。
- 賃金が減少した人は8割超
- どれくらいの減少かというと2~5割の減少が半数超
- 賃金が下がったことに対する考えは、雇用が確保されるから仕方がないが約5割、下がるのはおかしいが5割と拮抗
一方、定年後に再雇用されなかった人は、希望しなかったが7割、制度がなかったが2割です。継続雇用を希望しなかった理由としては、健康上の理由、趣味やボランティアに打ち込みたい、年金などの収入で生活できる、家族の介護などが挙がっています
半数が短時間勤務
では、働き方はどうなっているのでしょうか?- 無期契約が4.5割、1年などの有期契約が過半を占めます
- 労働時間は普通勤務(フルタイム)が5割弱で半数近く、残りが1日の勤務時間や週あたりの勤務日数が少ない短時間勤務
- 60代前半に比べ、60代後半の短時間勤務の割合が高い
- 雇用形態は、正社員は4分の1たらず、残りはパート・アルバイト、嘱託、契約社員など
60代男性の賃金は20万円台が3割
気になる賃金については、男女差が大きく、男性では20~30万円未満が約3割でボリュームゾーン、次が10万円代。これに対して女性は5~10万円未満が3.5割でボリュームゾーン、次が10~15万円未満となっています。現役時代よりものんびり働けて、そこそこ稼げればいいと思うか、もっとバリバリ働きたいと思うかは人によるでしょう。働きがいを求めて、最近は定年退職後に起業する人も増えているようです。男女ともに平均寿命は80歳を超えました。人生90年時代。60歳から90歳までは30年もあります。60代をどんなふうに過ごすか、50歳を過ぎたら考えておきたいものですね。
*データはすべて「60代の雇用・生活調査」結果より。
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