世界19ヶ国、約100ブランドのものチョコレートブランドが集結する大人気イベント。第14回目となる今年も、昨年と同様に会場は新宿NSビル地階イベントホール。2016年1月27日から31日までの開催です。
バイヤーさんに聞く サロン・デュ・ショコラの大きな枠組み
雑誌やWEBサイトの特集でも予習、付箋をびっしりと貼って(笑)いざ出かけたものの、会場へ行くと大盛況!気分が高揚して人々の熱気でクラクラ、お目当てのブランドのブースに辿り着いて何とかチョコレートを買ったものの、あとは目についたものを少し買って、家に辿り着いて脱力、なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか?そんな経験のあるあなたのために、サロン・デュ・ショコラの基本コンセプトから会場の作り、商品ラインナップまでを統括されている、株式会社三越伊勢丹 食品統括部 海外開発 サロン・デュ・ショコラ バイヤー 秋山勇志さんにお話を伺い、シンプルにイベントの基本軸をまとめました。大きな枠組みを理解していただければと思います。
サロン・デュ・ショコラ2016 チョコレートの基本6カテゴリー
会場に並ぶ、膨大な量の魅力的なチョコレート。毎年圧倒されますが、サロン・デュ・ショコラは、毎年テーマに添った品揃えをしています。今年のテーマは、「Expressions Cacao, Innovations Chocolat(カカオの誘惑、ショコラの冒険)」。●カカオの誘惑(Expressions Cacao)カテゴリー
1.Bean to Bar ビーントゥバーチョコレート
2.カカオ&フルーツ カカオとフルーツのマリアージュ
3.女性シェフの特集 女性シェフによるショコラ
●ショコラの冒険(Innovations Chocolat)カテゴリー
4.技術とクリエーション 世界の新しい技術を紹介
5.日本の技術 日本人ショコラティエによる高い技術を紹介
6.体験型アイテム 会場を体験できる
こういう軸にそって、チョコレートのラインナップが決まっています(人気のセレクションボックスもこのカテゴリーを軸にしたものが作られています)。それぞれをご紹介します。
1. Bean to Bar (ビーントゥバー) ~カカオの誘惑~
今年はカカオ豆からチョコレートを作るビーントゥバーがトレンドであることに合わせ、カカオ豆から一貫製造されたタブレットの取り扱いが増えています。前年よりも7ブランド増え、21ブランドの登場です。「これまで紹介されていない優れた作り手を発掘するために、現地の方からをはじめ、様々なネットワークから情報を収集します。私達が実際に現地に足を運んで、作り手と会って世界感を共有できるかどうかをしっかりと話し合い、共感を得られたブランドの商品が販売されているのです」(秋山さん)
「例えば、今年初登場ですが、このショコラトリー ライヤは、バスク地方のバイヨンヌからさらに1時間くらいかかる人口約1500人の小さな村で、本当に遠いんですよね(笑)。でももちろん実際に私が会いに行って話し合いました。元リンツで焙煎士をしていたオリヴィエ・カズナーヴさんという方が独立して作ったショコラトリーで、カカオ豆は最高品質の物ばかりが手にはいるわけではない、スタンダードなカカオ豆であっても最終的に美味しくチョコレートにするのが私の仕事なのだという、プライドを持っている、しっかりとした作り手です」(秋山さん)
カカオ豆からタブレット(板チョコレート)を作っているブランドは ショコラトリー モラン チョコレート ナイーブ など様々。会場で沢山目につくと思います。ルーツとコンセプトが異なるため、Bean to Barというスタイルとは分けて考えるべきブランドといえますが、1922年以来高品質なカカオ豆からチョコレートを作り続けるヴァローナ の取り組みにも注目です。
●ブランドと商品は、サロン・デュ・ショコラ 日本公式サイトでチェックできます。「2016年ブランド一覧」ページで色々なブランドをクリック。
2. カカオ&フルーツ ~カカオの誘惑~
チョコレートの原料はご存じのとおりカカオ。チョコレートになるカカオの種が入っているカカオの実はフルーツです。その原点に立ち戻り、チョコレートとフルーツとの相性の良さを表現するアイテムが、今年は数多く登場しています。実物大のエスカルゴ型ショコラにカシスとフランボワーズのガナッシュ。
フルーツタルトをイメージ。ショコラのデザインから中身のフルーツがわかります。フルーツといえば、日本のブランドでは初出店の 銀座千疋屋 もご覧になってみてください。
3. 女性シェフの特集 ~カカオの誘惑~
Chocolatier(ショコラティエ)という言葉は、フランス語では男性のことをさし、女性はChocolatière(ショコラティエール)と呼ばれます。今年は女性シェフ、ショコラティエールによるショコラを前年以上に取り上げています。私はアリーヌ・ジェアンさんが作るプロヴァンスのハーブを使ったガナッシュが好きです。また、シルヴィー・フォシェさんによる「スクレドゥカカオ」は日本で初めて紹介されるブランドです。「ボワット ペルル」はザクザクとした砂糖で包まれた風味豊かでなめらかなガナッシュなどが素朴でありながら新鮮。クリスティーヌ・フェルベールさんは毎年お馴染みですね。
※伊勢丹新宿店で配布されたガイドブックのお持ちの方。表紙はショコラの王女。女性ですよね。王女のストーリーも公開されています。
4. 技術とクリエーション ~ショコラの冒険~
サロン・デュ・ショコラではお馴染みの世界の有名ショコラティエによるショコラも、毎年進化しています。「現地へ出向き、打ち合わせをしたときの会話から新しいクリエーションが生まれる場合もあります」(秋山さん)ホテル・デュ・キャップ エデン=ロック 「アフター5」 4428円(税込)
「パッケージは夕日をイメージしています。このホテルではアフター9、とかアフター10とか時間にあわせて楽しめるショコラがありますが、現地での打ち合わせの時、日本にはアフター5という言葉があるんですよと話をしたところ、そういうコンセプトで作りましょうとなりました。グランマルニエを入れて、お仕事終わりにリラックスして楽しめるショコラになりました。5時頃というとフランスでは子供達が帰ってくる時間でもあるんです。おやつの定番であるクレープシュゼットをベースにしたホワイトチョコレートのガナッシュは絶品です」(秋山さん)
5. 日本の技術 ~ショコラの冒険~
「日本の技術」もチョコレートのラインナップの重要なカテゴリー。日本のショコラティエによるチョコレートのレベルの高さを、私は年々感じています。海外のショコラティエだけに注目していると、実は灯台もと暗し。日本の素晴らしいショコラを見逃さないようにしましょう。帝国ホテルからは、市川幸雄シェフによるCCC幻の5タブレット獲得ショコラが登場。繊細なヴィジュアル、味。全てが手作りです。
●詳細は→ サロン・デュ・ショコラ日本公式サイト FEATURED 「帝国ホテルが幻の「CCC5タブレット」獲得のショコラボックスを販売」
ショコラティエ パレ ド オール からは本格的なビーントゥボンボンショコラともいえる、カカオ豆からボンボンショコラまで一貫製造されたショコラが登場です。
●詳細は→サロン・デュ・ショコラ日本公式サイト FEATURED 「ビーントゥバーのその先へ!日本初の本格「ビーントゥボンボンショコラ」が登場」
タイチロウ モリナガ の 「カレ・ド・ショコラ スペシャリテ<ラズベリー>」は0.7ミリの極薄のシェルを作る最新の技術に注目。セレクションBOX「ワールドチョコレートマスターズ」からも、日本の技術を知る事ができます。
>>続いては、「6. 体験型アイテムの強化 ~ショコラの冒険~」について。イートインスペース、アイテムなどについて、次のページでご紹介します。