振り込め詐欺の被害額が急増中

年老いた親とは日頃からなるべく連絡をとっておきたい

年老いた親とは日頃からなるべく連絡をとっておきたい

「オレオレ詐欺」をはじめとする振り込め詐欺については、テレビや新聞、雑誌などさまざまなメディアを通じて啓蒙活動が行われているにも関わらず、なかなか被害が減りません。

平成27年上半期の振り込め詐欺の被害状況を見ると、認知件数が6395件、被害総額が186億6000万円。平成26年上半期の数字に比べ、認知件数で30.7%増、被害総額は14.8%増となりました(警察庁調べ)。

ちなみに平成26年の通年は、被害総額が379億8000万円で、平成22年からの数字を見ると過去最高額。その年よりも速いピッチで、被害総額が伸びているのです。

詐欺のターゲットになりやすいのは?

さて、ご存じのように振り込め詐欺の被害者は、大半が高齢者です。ちょっとデータは古いのですが、2011年に東京で発生した被害者の年代別認知件数を見ると、特に「オレオレ詐欺」については、高齢者になるほど被害者数が大幅に伸びる傾向があります。

認知件数の総数1419件のうち、40代までの件数はたったの9件。それが50代で99件になり、60代が364件、70代が558件、80代が372件、90代が17件でした。つまり60代、70代、80代の高齢者に被害が集中しています。

また警視庁の「平成24年5~7月に認知した高齢詐欺被害者318名及びその家族に対する調査結果」によると、男女比では女性の被害者が圧倒的に高くなっています。被害者の居住状況は、「夫婦2人」が最も多く、次いで「一人暮らし」、「家族と同居」という順番になりました。

これらのデータから見えてくるのは、「夫婦2人で暮らしている60~80代の女性」が、最も振り込め詐欺などに引っ掛かりやすいことです。該当する方、十分に注意して下さいね。

親が詐欺被害に遭うことで、自分自身の老後資金に影響も

ただ、これは高齢者だけの問題ではなく、今の50代の方にとっても、由々しき問題だと思うのです。

なぜなら今、50代の人たちの親の多くが70~80代であり、かつその親は、子どもが都会に出て働いていることから、夫婦2人で生活しているケースが多いと思われるからです。つまり、現時点で50代の人たちの親が、この手の詐欺の被害に遭うリスクはかなり高いはずなのです。

もし、自分の親がこの手の詐欺に引っ掛かり、老後の生活に必要な資金を失ったら、どうなるでしょうか。多くの人は、「子供が親の面倒を見るものだ」と考えているでしょうから、年金以外に必要な親の生活負担が、50代の子どもに圧し掛かってきます。

でも、50代といえば自分自身の老後に備えるラスト10年でもあります。そこで想定外の負担増を強いられるのは、50代に差し掛かっている子ども自身にとっても、非常に不幸なことです。

詐欺防止のための対策は?

では、親が振り込め詐欺に引っ掛からないようにするためには、どうすれば良いのでしょうか。

親とのコミュニケーションは密に図っておきたいところですが、私の経験だと、電話で「もしもし、俺だけど」と言っても、親は意外と「誰?」という時が結構あります。そうなると、オレオレ詐欺を目論んでいる連中が、私のふりをして電話を掛けてきた状況に直面した時、コロリと騙されかねません。

かといって、親と同居することも考えにくい。そこで考えました。電話を掛けた時には合言葉を、です。「山、川」でも「犬、猫」でも何でも良いのです。一見、アホくさいように思えますが、そこはご愛嬌。自分自身の老後を守るためと思って、親に提案してみてはいかがでしょうか。

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