平均寿命が延びれば定年後の期間も延びる

日本人の平均寿命は何歳か、ご存じですか。厚生労働省が発表した「簡易生命表(2014年)」によると、男性が80.50歳、女性が86.83歳でした。

長生きするのは結構なことですが、問題は手元資金がもつかどうかということです。

先立つものはお金。自分は何歳まで生きるのか

想定よりも長く生きると、トータルの老後資金額ももっと必要になる

想定よりも長く生きると、トータルの老後資金額ももっと必要になる

恐らく、これからの時代は経済面において、シビアに自分の老後を考える必要があるでしょう。特に、東京などの大都市圏で生活している人なら、なおのこと自分の老後は自分だけの力で乗り切ることを前提にしなければなりません。なぜなら、核家族化が進んだことによって、自分の子どもに老後の面倒を見てもらうのは、期待できないからです。

そうなると、とにかく先立つものはお金です。だからこそ変な話ですが、50歳になったら、自分は何歳まで生きようとしているのか、ある程度の目測を立てておいた方が良いと思うのです。

自分の寿命を親の年齢から計算してみる

といっても、何を基準にすれば良いのか、分かりませんよね。だから、とりあえず平均寿命で把握する。もしくは、自分の親が何歳まで生きていたのか、あるいは現時点で生きているのかという観点から基準を設けても良いでしょう。

ちなみに私の父親は現在84歳。昨年、脳梗塞で倒れましたが、幸いなことに症状は軽く、今は普通に生活しています。で、私は間もなく49歳ですから、父親の年齢まで生きるとしたら、65歳からカウントしても19年あるわけです(まだ死んでいないので、ひょっとしたらもっと長くなるかも知れない……)。

年金頼りでなく、65歳以降も仕事を続ける必要がある

したがって、19年間の生活費をどのように準備すれば良いのかということを、考える必要があります。ちなみに国民年金なので、年間で受け取れる老齢基礎年金額は約55万円です。月々にすると約4万5800円。いや~、少ない。これだけで生活していくのは不可能なので、プラスオンする金額を、自分の努力で貯める必要があります。

いくら必要になるのか。これは、65歳以降も働き続けられるのかどうかによって、大きく変わってきます。

歳を取れば、仕事のパフォーマンスが落ちるかもしれない。仮に、働き盛りである現在の半分までパフォーマンスが落ちたとして、月々の収入はいくらになるのか。それと老齢基礎年金を合わせた額で、生活していけるのか。少し贅沢な生活をするならば、それにいくらオンすれば良いのか。その上乗せ分を、自分が65歳になるまでの16年間で、どこまで作ることができるのか。そんなことを考えていくわけです。

お金にも働いてもらい、運用しながら取り崩す

仮に、毎月10万円の上乗せ額が欲しいとしましょう。65歳以降、19年間生きるとしたら228カ月ですから、これに10万円を掛けると、2280万円になります。仮に運用利回りが年平均で4%だとしたら、16年間で2280万円を作るためには、毎月8万5000円を積み立てていく必要があります。きついでしょうか?

ただ、65歳になった時点で運用を止めるのではなく、65歳以降も運用を継続して84歳までいくならば、もう少し状況は変わります。19年間、毎月10万円ずつ引き出しながら年平均4%で運用を続け、84歳の時に残高が0円になるようにするには、65歳の時点で1600万円を準備できれば大丈夫です。

ということは、16年間で1600万円を作るわけですから、年平均4%リターンを前提に計算すると、月々の積立額は5万9000円まで減らせます。これなら現実的な数字になります。

自分が「あと何年生きられるか」ということを常に意識している人は、ごく少数だと思います。ただ、お金のこと、とりわけ自分の老後について考える場合は、ちょっとした遊び感覚で良いので、自分の余命に思いを馳せてみましょう。そこから老後の必要資金額と、その準備に必要な月々の積立額を計算してみてはどうでしょうか。

※上記の計算は、野村証券「マネーシミュレーター みらい電卓」を用いました。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。