食と健康/旬・季節の食事の食べ方・レシピ

栄養面でも理にかなっている冬至の言い伝え(2ページ目)

今年の冬至は12月22日。冬至にはかぼちゃを食べたり、柚子湯に入ると風邪をひかないと言われています。実はただの言い伝えではない先人の知恵を、栄養成分の面で探ります。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド


かぼちゃ

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冬まで日持ちがして、栄養価の高いカボチャは冬の健康づくりに重宝したことでしょう。

冬至にかぼちゃを食べるという習慣は明治以降に始まったと考えられています。かぼちゃは、夏に収穫されますが、すぐに食べるよりもしばらく置くことで、でんぷんが糖に変わって甘く美味しくなります。

食べ物の保存がままならない昔は、食料が手に入りにくく、かぼちゃのように保存が効いて、しかも栄養価の高い食べ物は重宝したことでしょう。

かぼちゃには、体の抵抗力を高めるβ-カロテンやビタミンC、また血行を促すビタミンE、栄養素の代謝に必要なビタミンB1やB2、ミネラルなどが含まれています。寒い時期には適した栄養補給源となり、風邪予防に良いといわれてきたのも、うなずけます。

小豆

「霜月粥」と言って小豆をいれた粥を食べたり、カボチャと小豆を炊き合わせた「御事煮」などを作る地域もあります。赤い食べ物には邪をはらうという意味もあるので、小豆を用います。

小豆には、糖質やたんぱく質のエネルギー源に、糖質やたんぱく質をエネルギーに換えるビタミンB群や、ミネラル、食物繊維も多く含まれています。
また抗酸化作用と考えられているサポニンなども含みます。

過去の記事でも小豆の栄養成分を詳しくまとめていますので、ご参考になさってください。

小豆成分がお正月太りやむくみ解消をサポート


「ん」のつく食べ物

地方によっては、「冬至の七草」と呼んで、「ん」が重なる食べ物を7種類食べると幸運を呼ぶといわれています。先ほどご紹介したカボチャも、別名「なんきん」。他に「れんこん」「きんかん」「にんじん」「ぎんなん」「うんどん(うどん)」「かんてん」などの食べ物が挙げられています。

にんじんは主にβ-カロテン、きんかんはビタミンCやヘスペリジンが豊富。れんこんも意外にビタミンCが多く糖質や食物繊維も含みます。うどんは糖質が主体でエネルギー源となります。ぎんなんも滋養の多い養生食ですが、食べ過ぎると中毒症状を起こすので注意が必要です。かんてんは、食物繊維の多い食品で健康的なイメージがありますが、もともとは飢饉の時の救済食として普及されました。

これらのうちいくつかは、過去に記事で詳しく栄養成分や食べ方の注意事項をまとめています。
れんこんにレモン果汁なみのビタミンC
おせち料理の縁起物、キンカンで風邪予防
低カロリー・食物繊維豊富な寒天
中毒症状はなぜ起こる? ぎんなんの栄養成分と注意点

こうした行事を日々の生活の中に取り入れながら、上手に養生してきた先人の食の知恵に思いを馳せながら、冬至を食卓の話題にしてみてください。

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