冬至に柚子湯の風習

ユズをほんの少し料理に加えるだけで、香りが膨らみおいしくなります。

ユズをほんの少し料理に加えるだけで、香りが膨らみおいしくなります。

一年の間で最も昼が短く夜が長くなる冬至は、例年12月22日頃で、この日から次の節気の小寒までの期間をさします。日本では、冬至に小豆粥やかぼちゃを食べると風邪をひかないと言われ、また柚子湯に入る習慣があります。
柚子湯に入ると、血行が促進され、冷え症やひび・あかぎれなどを改善し、風邪の予防になると言い伝えられてきました。これは漢方や民間療法としては柚子にはカラダを温める働きがあるとされ、経験的に風邪予防等に役立つと考えられていたのでしょう。

ウイルスに抵抗するユズの成分

栄養面で見ると、ユズの果汁や果皮には、コラーゲンの形成に関わり肌の健康を保つ上で必要なビタミンCが多く含まれています。また疲労回復に役立つクエン酸、酒石酸などの有機酸、毛細血管を強化するビタミンP、食物繊維のペクチン、カリウム、カルシウムなどが含まれます。さらにユズ等の柑橘類が、注目されるのはその香りの成分です。柑橘類に含まれているリモネンなどのテルペン化合物は、リラックス効果やガン細胞の増殖を抑制する効果などについて研究が進められています(高知大学)。さらに2009.10.29付けの『農業新聞』では、ミカンの色素成分β-クリプトキサンチンや夏ミカンやユズに含まれる香り成分オーラプテンにも免疫効果を高め、ウイルスなどの感染症に対する抵抗力があがることが報告(愛媛大学)されていました。

ユズのよい香りに包まれながらゆっくりお風呂に入って温まれば、心身ともに癒されて健康に役立つとされていたのは、こういう成分が含まれているからでしょう。もちろんこれらの研究報告は、ユズに含まれている特定の成分についてのものであり、食品としてどれくらい食べればよいかということはまだ明らかではありませんし、効果には個人差があるものですから、過剰な期待は禁物です。

けれども、伝承の風習を改めて見直すと、医療や食べ物が十分でない環境で、先人は食べ物を上手に取入れながら、日々の養生をしてきたのだと思うと、その知恵には感服させられます。

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