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火災保険 一戸建て満期前の見直しポイント(2ページ目)

「わが家の火災保険、よくわからない!どうなってるの?」と言う方は少なくありません。Aさんもそんな1人。住宅購入時に慌てて加入した火災保険ですが、時は流れ、気付いたら来年には満期がやってくるといいます。満期前の今こそしっかり見直しをと、Aさんが訪れました。今回は、火災保険の契約者が知っておくべき契約時の注意点や見直しのツボを相談事例でお届けします。

清水 香

執筆者:清水 香

火災保険の選び方ガイド

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火災保険は途中で解約すると損をする?

ガイドundefined清水香さん

「途中で火災保険を解約するときは、解約した時点から満期までの間の未経過期間分の保険料は戻ってきますよ」清水

Aさん じゃ、まずはうちも見直ししなきゃですね……。その結果、他の保険会社で掛けようかなと考えた時、火災保険も生命保険みたいに途中で辞めるとソンしちゃいますか?

清水 火災保険はヒトでなく家にかかっているものなので、条件を満たさないと他で新規契約ができないということはないです。Aさんは10年の保険料長期一括払いですが、途中で辞めた場合は、やめた時から満期までの未経過期間分の保険料は戻ってきます。

Aさん へえー、そうなんですね。生命保険みたいに、保険会社を変えると保険料も変わりますか?

清水 そうですね、それほど大きくは変わらないと思いますが、同じような条件でも保険料が多少変わる場合があるかもしれません。ただ、保険料の違いは大きくは補償内容が異なることによるので、保険料を抑えたいなら補償内容を見直すのがポイントですよ。インターネットで試算するとか、あるいはいくつかの保険会社で補償の範囲を変えた見積もりを取ってみてはどうでしょう。
 

地震保険はもっと掛けられる?

清水 ところで、地震保険は1000万円で、火災保険の50%で付加していますね。

Aさん 少ないと思うんですけど、この金額って、どうにかならないんでしょうか……。

清水 地震保険金額は、火災保険の30%から50%のあいだで契約するのがルールになっているので、これでも最大の受取額ですね。

Aさん でも、この金額では地震で被災した時に建て直しができないですよね……。

清水 確かにそうです。ただ、これには理由があるんです。地震って、いつどこでどの規模で起きるか予測ができない災害ですよね。それに相当な広域にわたり、たくさんの世帯に損害が生じる可能性もあります。

Aさん まさに東日本大震災がそうでしたね。

清水 はい。そうなると保険会社はどれだけ保険金を支払うことになるか、読めないんですね。保険という商品は、過去の発生率をもとに保険料を算出する仕組みなので、いつ、どこでどの規模で起きるかわからない地震は、本来は保険にはしにくいんですね。

Aさん うーん、なるほど。

清水 そこで地震保険は、地震保険法という法律に基づいて、保険会社と並んで国も責任を負う、特殊な国の制度になっているんです。地震保険金額を火災保険金額の最大50%までに抑えているのは、国や保険会社の保険金を支払う責任を大きくし過ぎないようにして、どんな時でも保険金が確実に支払われるようにする工夫なんですね。

Aさん 地震って国や保険会社にとってもホントに怖い災害ってことですね。
 

地震保険は生活再建の「命綱」

リビングでくつろぐ母と娘

万が一の時のために備えたい

清水 あと、知っておいてほしいのが、地震などの災害で損害を被っても、国や自治体の支援が限られていることなんです。

Aさん え?どういうことですか? 国とかが助けてくれるんじゃないんですか?

清水 当座の避難生活をしのぐ支援はあります。あわせて現在の住宅に住めなくなったときの支援もありますが、住宅全壊時に100万円、建て直した時でも最大200万円の加算です。

Aさん 全部で300万円が限界ですか……。桁が違いますよね。

清水 そうなんです。災害で被災しても、生活再建は自力で行うことが求められているんですよ。公的支援に期待される方は多いのですが、実際はこれが限界なので、自ら準備しておくことがとても大切なんです。建て直しできないから意味がない、のではなく……。

Aさん たとえ1000万円でも、これは「命綱」ってことですね。

清水 そうです。地震で大きな損害を受けたときの、まとまった一時金確保の手段と考えるといいと思います。

Aさん そういえば、東京都から黄色い本、「東京防災」もらいました。

清水 災害時、災害後のサバイバルについて、とても分かり易く解説してありましたね。被災後の公的支援についても記載がありましたよ。身に着けておきたい情報が満載でしたね。

Aさん あれは役に立ちますね。

清水 被災したのち命がつながったら、その後、生活再建に向かうことになります。しかし、そこで改めて壁が立ちはだかります。それが「お金」の問題なんです。だからこそ、非常事態でもらえる火災保険や地震保険を平時から確認しておくことが大事になるんですね。災害は止めたり防いだりすることはできないけれど、お金のことは今すぐ準備しておけますからね。

次回は、続編として家財と水害の見直し方法についての相談です。

<火災保険 一戸建て満期前の見直し相談~続編~ 記事>
火災保険 一戸建て満期前の見直し相談「家財と水害」

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