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火災保険 一戸建て満期前の見直しポイント

「わが家の火災保険、よくわからない!どうなってるの?」と言う方は少なくありません。Aさんもそんな1人。住宅購入時に慌てて加入した火災保険ですが、時は流れ、気付いたら来年には満期がやってくるといいます。満期前の今こそしっかり見直しをと、Aさんが訪れました。今回は、火災保険の契約者が知っておくべき契約時の注意点や見直しのツボを相談事例でお届けします。

清水 香

執筆者:清水 香

火災保険の選び方ガイド

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慌てて火災保険加入!契約内容はお任せだった

ガイドundefined清水香さん

「住宅購入時に火災保険に加入する人は多いですが、慌てて契約することが多いので、契約内容をしっかり理解していない人が多いんですよ」清水

Aさん はじめまして。今日はよろしくお願いいたします。

清水 こちらこそ、よろしくお願いします。

Aさん 9年前に住宅を購入する時、ローンは組まずに親からお金を借りたんです。そんなこともあってか、購入時に特に火災保険の案内をされることもなくて……。

清水 なるほどー。それでどうしました?

Aさん どの保険会社で、どんな火災保険に入ればよいかまったくわかりませんでした。そこで、当時住んでいた賃貸住宅で契約していた火災保険の契約先に頼んで、なにしろ急いで契約したんです。そのため、全然わかっていないというか……。

清水 いえいえ、皆さんそうですよ(笑)。Aさんと同じように、住宅購入をきっかけに火災保険に加入される方が多いのですが、「あ、火災保険に入るんだった!」と、最後のタイミングで急いで加入される方が多いです。なので、「契約内容もお任せ、まったくわからない!」という方が実際多いんですよ。
 

住宅購入価格4700万円で、建物の保険金額は?

Aさん 今の保険は来年の夏に契約が切れるんです。それまでに見直しも含め、一度内容を確認しておきたかったんです。

清水 では、保険証券を拝見しますね。保険期間10年の保険料長期一括払いですね。建物の保険金額は2000万円、地震保険は1000万円で契約されています。

Aさん ……はい。建売住宅だったんですが、購入価格は全部で4700万円でした。でも建物は2000万円でかけているんですか。どう決めたのか……? こちらも全然わからないです(笑)。

清水 火災保険金額は、同じ住宅をもう一度建てるのに必要な建築費で設定するのが一般的です。なので、土地代などは引かれて、建売住宅の購入金額より火災保険金額の方が低くなるのが普通ですね。

Aさん はあー、なるほど。そういうものなんですか。
 

火災保険金額の見直しは、まずは「建物の評価」を確認する

住宅街

購入後の火災保険の見直しでは、建物の再評価から始めよう

清水 ただ、契約時にどう決めたかわからずご不安なようですし、契約から時間も経っているので、保険金額が適正かどうか、一度確認しておくと安心できるかもしれないですね。建物の再建価額を計算することを「評価」と言い、要するに建て直しに必要な金額が確保されているかどうかを確認するものです。

Aさん 契約している保険会社に言えば教えてくれますか?

清水 はい。「建物を再評価してください」といえば、建物の構造や材料などを踏まえて現在の住宅の評価額を教えてくれます。契約していない他の保険会社に頼んでも教えてくれますよ。

Aさん はい、「評価を頼む」……っと。
 

保険料を多く払っても、原則「評価額」までの保険金しか受け取れない

ガイドundefined清水香さん

「火災保険は、多すぎても少なすぎてもダメです。評価額に合わせた保険金額にしておいてくださいね」清水

清水 いずれにせよ、評価額に合わせた保険金額にしておいてください。建て直しに必要な保険金額にするのが火災保険の基本なので、多すぎても少なすぎてもダメです。あえて極端な話をしますと、例えば、現在のおうちに3000万円の火災保険金額を設定しても、住宅が全焼したとき3000万円はもらえません。

Aさん 3000万円で契約して、火災保険証券に3000万円と書いてあっても、ダメなんですか?

清水 Aさんの住宅の建て直しに必要な金額が2000万円だとすれば、3000万円は過大な金額ですよね。それを受け取れば、火災で儲けることになってしまうので、最高でも原状回復に必要な2000万円までしか受け取れないルールがあるのです。

Aさん つまり、掛け過ぎても余計にもらえるわけではなく、保険料の払い過ぎになってしまうということですか……。

清水 そうです。ここは、約束した金額がそのまま貰える生命保険との違いです。なので火災保険金額が適正額かどうかは、とても大事なんです。契約時に正しく契約していれば、とりあえずは大丈夫。ただ建築費が上がったり下がったりすると保険金額と実際の評価額ズレてくることがあるので、定期的なチェックが必要だと覚えておいてください。

次のページは、火災保険の満期前の解約方法と地震保険についてです。
 
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