スニーカーのトレンドを作ったストリートの先駆者達
ヒップホップカルチャーを好む人たちに「ストリートファッションで一番大事なポイントは?」と聞けば、ほとんどの人は「スニーカー」と答えるでしょう。なぜこだわるポイントがスニーカーなのか、気になるところですが、彼らのスニーカーに欠ける情熱はとても奥深く、簡単に説明出来るものではなさそうです。まずはその背景から探ってみましょう。70年代にニューヨークはサウスブロンクスで始まったヒップホップ。ブレイクダンスはヒップホップの四大要素の一つでありますが、そのブレイクダンスを踊るBボーイ達の存在がスニーカーの価値を上げ、ストリートでスニーカーの人気が出始めた理由の一つと言われています。
Bボーイ達にとって、踊るための履き心地の良さと、ファッションを引き立たせるための靴選びは重要で、その頃はアディダスやプーマ、コンバースのスニーカーが人気でした。
他に、バスケもスニーカーのトレンドを作った要因ともされています。また、ニューヨークでの交通手段は電車が多く使われますが、電車に乗る際に、人と目を合わせないために下を向いてることが多く、目の行くところが足下になるので、どういう靴を履いてるかはとても重要だったそうです。
昔のストリートの若者達は、今の若者達のように靴を何足も買える余裕がない人が多かったので、靴を常にフレッシュに見せるためのお手入れは、彼らにとってとても大事なことでした。私もニューヨークに住んでいた時、白のエア フォース1を必死に磨く人達をよく見かけ、あの気合いの入れように心打たれたことを思い出します。
靴ひもの手入れだけでなく、靴ひもの色や太さ選びも大事で、それを変えることによって服とのコーディネートやマッチングに役立てたりもしてました。
80年代、90年代にはファット・シュー・レースというぶっとい靴ひもなどが流行りましたね。ちなみにアメリカの監獄では防犯のために靴には靴ひもが無いのですが、そのひも無しスタイルが、ストリートではファッションとして流行ったことも。