ゲーム業界ニュース/ゲームニュース講座

マリオじゃないからダメなのか? 任天堂スマホアプリ(3ページ目)

任天堂のスマートフォン向けアプリ参入第1弾となるタイトル「Miitomo」が、2015年10月29日に開催された、同社の「経営方針説明会 / 第2四半期決算説明会」にて発表されました。しかし、この発表に多くの人がガッカリしているようです。メディアの伝えるところによると、その理由は「マリオ」じゃなかったから。しかし、マリオであることが、本当にそんなに重要なんでしょうか?

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

面白そうじゃなかった

Miitomoの図

非常に高い期待に対して、肩透かしのような発表になってしまいました(イラスト 橋本モチチ)

その上で、ガイドは、Miitomoの発表は、やっぱり多くの人の期待を上回る発表ではなかったと思います。それはマリオじゃないから、ということではなく、内容にそれ程の驚きがなかった、今すぐにでもダウンロードして遊びたいと思わせる強い魅力が感じられなかった、ということです。それはある意味でマリオかどうか、という話よりも、もっと深刻かもしれません。

MiitomoはMiiを使ったアプリで、ユーザーはMiiに質問されて、それに返答すると、今度はその返答をMiiがユーザーの友達に教えてあげる、というような形の間接的なコミュニケーションを楽しむツールのようです。これを聞いてすぐに思い浮かぶのはソニー・コンピューター・エンタテインメントの「どこでもいっしょ」シリーズではないでしょうか。

任天堂が重い腰をあげてスマートフォン向けゲームに参入する、その第一弾ですから、どんなことをしてくるのか、大変に期待が高まっていました。そこにきて発表するものとしては、驚きにかける内容だったように思います。

これはあくまで発表に対する評価であって、実際にMiitomoが面白くなるかは、リリースされるまで分かりません。任天堂がWii Uで展開するコミュニケーションツールにMiiverseというものがあります。ユーザーがゲーム中にコメントをつけることができ、それがゲームに反映されるということが大きな特徴の1つですが、スプラトゥーンが発売されたことで、コメントが賑わい、一気に注目を集めるというようなことがありました。コミュニケーションツールは、コミュニティをどう形成、運営していくかによって、評価が大きく変わります。

しかし、消費者はそんなに悠長ではありません。これだけたくさんのゲームが溢れている中で、面白いかどうかは分からない、というのは、消費者にとっては「面白くない」とイコールです。

Miitomoには、まだ公開できない魅力が隠されているかもしれません。また、Miitomoは、新しい任天堂の会員サービス「マイニンテンドー」を牽引し、ユーザー同士をフレンドで繋ぐきっかけを作るアプリケーションですので、そもそもの位置づけとして、高まっている期待に応えるようなエンターテインメント性の高いアプリではなかった、ということも、もしかしたらあるかもしれません。

いずれにしろ、登場の仕方が大変にまずかった、ということは言えると思います。マリオかどうかはたいした問題ではありません。それよりも、もっともっと大事なことは、面白そうかどうかなのです。リリースを迎える際には、今ガッカリしているユーザーのイメージをかき消すような、大きな驚きや楽しさを与えてくれることを、期待したいと思います。

【関連記事】
スマホゲーのヒットにマリオは必要か?(AllAboutゲーム業界ニュース)
「お父さん、近くにポケモンいる!」 ポケモンGO(AllAboutゲーム業界ニュース)
みんなどうしてイカに夢中? スプラトゥーン(AllAboutゲーム業界ニュース)

【関連記事】
田下広夢の記事にはできない。(ゲーム業界ニュースガイド個人運営サイト)

【編集部おすすめの購入サイト】
Amazonで人気のゲームソフトをチェック!楽天市場で人気のゲームソフトをチェック!
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます