面白そうじゃなかった
非常に高い期待に対して、肩透かしのような発表になってしまいました(イラスト 橋本モチチ)
MiitomoはMiiを使ったアプリで、ユーザーはMiiに質問されて、それに返答すると、今度はその返答をMiiがユーザーの友達に教えてあげる、というような形の間接的なコミュニケーションを楽しむツールのようです。これを聞いてすぐに思い浮かぶのはソニー・コンピューター・エンタテインメントの「どこでもいっしょ」シリーズではないでしょうか。
任天堂が重い腰をあげてスマートフォン向けゲームに参入する、その第一弾ですから、どんなことをしてくるのか、大変に期待が高まっていました。そこにきて発表するものとしては、驚きにかける内容だったように思います。
これはあくまで発表に対する評価であって、実際にMiitomoが面白くなるかは、リリースされるまで分かりません。任天堂がWii Uで展開するコミュニケーションツールにMiiverseというものがあります。ユーザーがゲーム中にコメントをつけることができ、それがゲームに反映されるということが大きな特徴の1つですが、スプラトゥーンが発売されたことで、コメントが賑わい、一気に注目を集めるというようなことがありました。コミュニケーションツールは、コミュニティをどう形成、運営していくかによって、評価が大きく変わります。
しかし、消費者はそんなに悠長ではありません。これだけたくさんのゲームが溢れている中で、面白いかどうかは分からない、というのは、消費者にとっては「面白くない」とイコールです。
Miitomoには、まだ公開できない魅力が隠されているかもしれません。また、Miitomoは、新しい任天堂の会員サービス「マイニンテンドー」を牽引し、ユーザー同士をフレンドで繋ぐきっかけを作るアプリケーションですので、そもそもの位置づけとして、高まっている期待に応えるようなエンターテインメント性の高いアプリではなかった、ということも、もしかしたらあるかもしれません。
いずれにしろ、登場の仕方が大変にまずかった、ということは言えると思います。マリオかどうかはたいした問題ではありません。それよりも、もっともっと大事なことは、面白そうかどうかなのです。リリースを迎える際には、今ガッカリしているユーザーのイメージをかき消すような、大きな驚きや楽しさを与えてくれることを、期待したいと思います。
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