男の靴・スニーカー/カジュアルシューズ

室内で愉しむ極上。HIRO YANAGIMACHIのルームスリッパ

今回はHIRO YANAGIMACHI Workshopのルームスリッパを採り上げます。スリッパと聴いて侮ることなかれ! 柳町弘之氏の手に掛かると、これが下手な靴なんかよりずーっと快適に履けるのです。自分用のみならずお世話になった方へのプレゼントにも最適!

飯野 高広

執筆者:飯野 高広

靴ガイド

日本の住環境を考慮した、究極のスリッパ。

HIRO YANAGIMACHI Workshop ルームスリッパ

HIRO YANAGIMACHI Workshopのルームスリッパです。巷に出回るルームスリッパとは、明らかに一線を画する完成度です。甲部に付いたタッセルがデザイン上のアクセントになっています。全14色。一足2万7000円(税込み)(HIRO YANAGIMACHI Workshop TEL:03-6383-1992)

「ルームスリッパ」と聴いて大概の方が思い浮かべるのは、室内で履くあのお馴染みのものでしょう。人によっては一日のうち、外履きの靴より長く用いているかもしれない履物。その割には、肝心の機能性についてはこれまでほとんど目が向けられていないのも事実ですよね。

HIRO YANAGIMACHI Workshopの代表である柳町氏が、そんなルームスリッパの「地位向上」を強く意識するようになったのは、あるお客様との会話の中だったそうです。その方曰く
「せっかくスーツも靴もビスポーク(誂え)でビシッとまとめているのに、屋内の仕事場でありきたりのルームスリッパに履き替えた途端に、心理的に締まりがなくなって、長い時間我慢して履けないのです!」
「家にいる時はいる時で、一日の始まりや終わりに心地良く履きたいものなのに、使い心地に満足が行くものに出会ったことが全く、ないなぁ……」
他のお客様にも伺うと、同様の思いの方が実は相当多くいらしたそうです。「ならばウチで作ろう!」と約2年の試行錯誤を経て完成・販売に漕ぎ着けたのが、今回ご紹介するこのアトリエ製のスリッパです。

企画するにあたり、柳町氏と細かな設計を行ったスタッフの桑原さんが意識したのは、
「靴脱ぎ文化」の日本にあるアトリエだからこそ作れる、リラックスできる履き心地の、しかも剛性感の高い、少し贅沢な一足
に仕上げること。そのためにはまず、巷に出回るルームシューズやスリッパの構造やデザインを徹底的に調査したそうです。いい加減な妄想からではなく、これまでの例から理論的・実証的に追求し始めてしまうのがいかにもこのアトリエですよね!
底面

底面はアッパーと同じ起毛系の革を用いています。贅沢さの演出のみならず、室内履きですので床面への密着度やカーペットやフローリングなど様々な床面を傷つけないことまでも考慮した選択です。


俗に言うトラベルスリッパや欧米では主流の踵の付いたルームシューズ、それに爪先部が開いたサンダルっぽいものなど、一般的なものだけでなく著名な靴メーカーのものも色々…… しかしルームシューズは日本の住環境・オフィス環境を考えると明らかにオーバースペック。一方サンダルはカジュアルな印象でデザインとしてまとめ難いこともあり、まず形状はご覧のようなものに決定したのです。が……


この構造だと「克服しなければならないもの」があった訳です。詳しくは次のページで
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