ミノア文明の大迷宮 クノッソス宮殿
イルカの壁画が描かれた女王の間
クレタのミノス王が牛頭人身の怪物ミノタウロスを閉じ込めた話はギリシャ神話のなかでも有名ですが、1900年、英国の考古学者アーサー・エヴァンズによって宮殿が発掘され、複雑に入り組んだ迷宮のような宮殿が現実のものとなりました。
王宮の他にも、礼拝堂や墓所、貯蔵庫などがあり、給水や排水の設備も完備されていたという見事な建築物です。当時の文明がいかに高度なものであったかを今に伝えています。
ヴェネツィア時代の面影残るハニア、人気のサマリア渓谷
西部のハニアはクレタ島第2の都市で、かつては行政の中心地でした。ヴェネツィア時代の影響が残る街並みは美しく、ヴェネツィアン・ポートは最大の見所。周辺にはタベルナやカフェ、かわいい雑貨のお店などが建ち並び、散策が楽しいエリアです。観光客が多く集まり、夜更けまで賑わいを見せます。ハニア周辺の遺跡からの出土品を展示する考古学化博物館、歴史的に有名な海戦のシュミレーション模型が迫力の海と船の博物館などの見所もあります。
またハニアはヨーロッパ最大規模、サマリア渓谷への拠点。現地発の渓谷へのトレッキングツアーはクレタ島で一番人気です。渓谷を約16km歩きますが、切り立った岩壁が圧巻の光景で迫ってきます。短い距離で素晴らしい景色を楽しめるコースもあります。
その他の都市や有名リゾート地
イラクリオンとハニアの中間地点にあるクレタ島第3の街がレシムノです。城壁に囲まれた街で、ここにもヴェネツィア時代の要塞や考古学博物館があります。エルンダはイラクリオンから東に約70km、車で1時間ほどの名高いリゾート地。世界中のセレブが訪れます。他にもアギオス・二コラオス(イラクリオンから東に約65km)、シティア(アギオス・二コラオスからさらに東に約70km)など、各地に人気の高いリゾート地があります。素晴らしいビーチは各地に点在しており、夏季は島全体がヨーロッパからのバカンス客で溢れかえります。
クレタ島で滋味あふれる伝統料理を満喫!
大麦が原料のパクシマディとクシノミジスラ(フレッシュチーズ)を使ったクレタ島の伝統的なダコス
ギリシャのオリーブオイルはお土産の定番ですが、クレタ島はオリーブの栽培が盛んで、オリーブオイルの消費量も他の地域に比べずっと多いです。高品質なオリーブオイルの産地としても有名です。
クレタ大学で研究、栽培されているハーブの数は何千種類にも及ぶとのこと。様々な効能のハーブティーはお土産にもおすすめ。ハチミツも名産で豊富な種類があります。
近年、クレタ島のワインは、古くからの固有品種に国際品種も交え、ハイレベルなものが増えてきています。ワインをつくる際の搾りかすを発酵させた蒸留酒ラキはクレタ島の名産です。
クレタ島発祥の料理、ダコスはパクシマティという固めのラスクのようなパンに、トマトやチーズなどをのせたサラダ感覚の一品。アテネのタベルナでもメニューにあり、刻んだトマトと一緒にフェタチーズがのっていることが多いです。クレタ島食材店の人によると、クレタ島の伝統的なダコスは、大麦が原料のパクシマディで、チーズはクシノミジスラというフレッシュチーズを使うことが多いようです。オリーブオイルと塩、オレガノなどで味付けます。トマトのうまみが他の食材とあいまってしっかり感じられ、シンプルながらクセになる美味しさの料理です。
またギリシャはカタツムリ(エスカルゴ)の養殖が盛んですが、クレタ島ではこれを様々な調理法でよく食します。タベルナではぜひカタツムリ料理も味わってみてください。