大学生の就職活動/就職活動の準備

企業の短期インターンシップは選考に有利なの?(2ページ目)

最近、就職活動をはじめたばかりの大学生に毎年聞かれるのが「インターンシップには参加したほうがいいですか?」という質問です。たしかにインターンシップは盛り上がっていますが、必ず体験しておくべきなのでしょうか。

井上 真里

執筆者:井上 真里

大学生の就職活動ガイド

インターン参加で安心するのは禁物!

行きたい企業のインターンシップに参加していなくても内定が決まる人は決まるもの。逆にインターンシップに参加したから自分は評価が高いはずだと思っていると期待外れになってしまうかもしれません。

実際に同じ業界大手損害保険会社を受けた人で比較しても、インターンシップやセミナーに何度も足を運んで人事の人によく覚えてもらっていた人が面接で不合格になった例がいくつもあります。逆に一度も企業のイベントに参加せずに選考に応募した人が内定をもらった例も。この事実から、インターンシップに参加したという記録そのものが選考に直接有利にはたらくのではないということがわかるでしょう。

結局は自分の実力次第!

結局は自分の実力次第!

内定者の比率を見ると、インターンシップに参加した人の割合が多かったという話を聞くこともあります。しかし、それはインターンシップに参加したから内定したのではなく、就職活動の早期からインターンシップに参加するほど、その企業に対して志望度が高かった人が多いからとも考えられます。

恋愛にたとえてみても、何度も顔を合わせることで顔見知りにはなるでしょうが、だからといって相手のことを好きになるかどうかはまた別の問題ですよね。逆に2~3回会っただけでも相性が良ければ好きになるでしょう。

同じように、インターンシップに参加して企業からいい評価を得られたのであれば、それは元々のあなたの実力です。あなたが通常の選考ルートで応募したとしても内定するレベルだったと考えられます。

目的をもってうまく活用しよう

なかにはインターンシップに参加したことでその企業や仕事についての理解が深まり、面接で何がしたいか希望を話しやすかったという人もいます。このように、目的をもって参加すればいろいろな情報が得られたり、インターンシップを機会に社員やほかの就活生とのつながりを持てたりすることはメリットになるでしょう。

しかし、企業や仕事の知識は、インターンシップという場でなくても得ようと思えば得られるものですから、必ず参加しなければいけない理由にはなりませんし、短期間でわかることはごく一部です。つまり、インターンシップは何かの目的を果たすための手段のひとつにすぎないということです。就職活動までに人間的に成長したり、何かをやりきったり、自分を理解する必要があると感じる人は、ほかにやるべきこと・やりたいことに時間を使ったほうがいいかもしれません。

インターンシップでは、企業が学生たちに一生懸命楽しんでもらうためのプログラムを用意しているので、だれが参加してもそれなりに充実した気持ちになるでしょうし、新しい情報を得ることだってできます。しかし、授業の出席記録のようなノリで、なんとなく参加することが目的になっていると、時間と労力をかけた割にはただ参加して満足しただけであまり意味のない活動になってしまうでしょう。

過去の先輩の例から見てもわかるように、インターンシップに参加するからあなたの評価が上がるわけではありませんから、それだけにとらわれずに今自分がやるべきことは何かを考えて選びましょう。目的をもって取り組めば、結果的にどんな活動をしても得られるものは大きくなるはずですよ。
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