東洋医学的観点から考える中耳炎
東洋医学的な観点では、耳は腎(じん)の気の支配下にあります。腎は食物から摂取されたエネルギーである津液(しんえき)の代謝を行っており、腎の気が正常に機能しないと体内に余分な水分があふれた状態になります。このあふれた津液が鼓膜に入りこんでしまう状態が中耳炎であると考えられます。また、腎の気が正常に働かなくなる原因として、肺の気の機能低下が原因として考えられます。肺の気は腎の気の親にあたり、気と津液を全身に送る役割を果たしています。肺の機能が低下すると、気と水分が肺の支配下にある鼻に留まり、鼻づまりの原因となると考えられます。
これらのことから、東洋医学的観点では、中耳炎は肺と腎の機能が低下し鼻や耳に余分な気や水分が滞留した状態であると考えることができます。
医学的に中耳炎は鼻に侵入した細菌が耳に入り込むことが原因であることは先に述べた通りですが、東洋医学的な観点からも非常に似たメカニズムで中耳炎が発生していると考えられます。
中耳炎の改善に効果的なツボ
鼻づまりなどの症状に効果的な印堂と迎香
これらの二つのツボは鼻づまりなどの症状に対し非常に効果的なツボです。
印堂は左右の眉毛の中間に存在します。迎香は小鼻の両脇、ややくぼんだところに存在しています。
・風池(ふうち)
風池は顔面周辺に滞留した気の運行を改善する効果があります。後頭部の髪の生え際で、首筋の太い筋肉と首の横にある筋肉の間にあります。
腎の気の機能を改善する腎兪
腎兪は腎の機能を高める働きがあります。ウエストラインにある腰椎のでっぱりから指2本分外側に存在しています。
腎兪と同様に腎の気の機能を改善する太谿
医療機関での検査や治療などとあわせて、ツボによる症状改善も試されてみてはいかがでしょうか。