観音裏は穴場の散歩エリアだ
散歩の取材をするようになって、浅草を訪れる機会は増えた。定期的に浅草には来るようにしているけれど、最近は、これまでにない混雑ぶりだ。そこで、今回は観光客が行かない浅草エリアを紹介してみよう。とはいえ、せっかく浅草にきたのだから、浅草寺はお参りしたいという人におすすめなのが、雷門ではなく、二天門から入るコースだ。
まずは、こちら東武浅草駅の北口からスタートしたい。
銀座線の浅草駅からだと、観光客の流れとは逆に松屋浅草の地下へ進もう。エキミセという商業施設を通って1階にあがり、出てくると東武浅草駅北口だ。
駅から馬車道まで出て北へ歩くと、二天門の交差点がある。そこを左折すれば、二天門だ。時に外国人観光客の団体さんがいることがあるが、そうでなければ、観光客はまばらだ。
ここ二天門から入ると、観音堂へ出るこになる。
観音堂へお参りをしたら、その裏側へ足を運ぼう。お手洗いが見えてくる。その先にへ行くともう観光客はほとんどいない。
「浅草観音堂裏」の交差点から言問通りを越えると、ほとんど観光客が来ないエリアとなる。それが観音裏だ。
「みちびき」とは、どういうことか思えば、こちらの神社に由来しているようだ。
「道引」というのは、極楽浄土なんだそうだ。さらに、松尾芭蕉の句碑があったりする。
「象潟や雨に西施がねぶの花」
松尾芭蕉が奥の細道で秋田県の象潟という地で詠んだもの。というわけで、冒頭の象潟というのは地名。秋田県の日本海側の景勝地だったんだそう。西施というのは、中国の美女、ねぶの花はネムノキの花。美しいものを重ねあわせたイメージなのだそうだ。
しかし、なぜこの句碑がここにあるのか。その理由はかつてこのあたりに秋田藩の下屋敷があった。藩主が秋田の象潟に似た土地があったので、浅草象潟と名付けたのだそうだ。なるほど、そんな縁があったんだね。
さて、次ページでは観音裏のおいしいものをいただきます。