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心理職で初めての国家資格誕生へ【資格ニュース1509】

日々のニュースを追えば、「仕事に活かせる資格」の最新動向が見えてきます。毎回、先月までに発表されたニュースの中から今後の動向が気になるトピックスを厳選してお届け。今回は2015年8、9月分です。

いぬかい はづき

執筆者:いぬかい はづき

仕事に活かせる資格ガイド

日々のニュースを追えば、「仕事に活かせる資格」の最新動向が見えてきます。
毎回、先月までに発表されたニュースの中から今後の動向が気になるトピックスを厳選してお届け。今回は2015年8、9月分です。

【今回注目したニュースはこれ!】
■ついに実現!心理職初の国家資格誕生へ
■情報処理技術者試験にユーザー向けセキュリティ区分
 

 ついに実現!心理職初の国家資格誕生へ

今年12月からは、従業員50名以上の事業所で「ストレス・チェック」が義務付けられるなど、「心のケア」の重要性に益々注目が集まる中、いわゆる「心理カウンセラー」資格の分野で大きな動きがありました。
10月9日、参議院本会議で心理職の業務の適正化を図ることを目的とした「公認心理師法」が全会一致で可決、成立。
これによって、早ければ平成30年にも、国家資格「公認心理師」が誕生することになったのです。

意外に思われるかもしれませんが、実はこれまで「心理カウンセラー」の分野には国家資格がありませんでした。比較的、社会的認知度の高い「臨床心理士」なども民間資格であり、長年にわたって国家資格の創設が模索されてきました。

2005年には法案の骨子が固まり、実現への機運が高まりましたが、医療関係団体の反対などもあり国家提出は見送り、また議員立法として提出された2014年の通常国会では廃案と、成立までには紆余曲折がありました。
今回の成立を受けて、文部科学省と厚生労働省を主務官庁とした国家試験実施に向けて、これから本格的に準備が始まります。

現段階では、4年制大学と大学院で計6年間学んだ人が国家試験を受けるルートが基本になる予定。名称独占資格として、医療、福祉、教育、司法、産業などの分野でカウンセリングなどを行う心理職としての活躍が期待されています。

「心の時代」と言われて久しいですが、現在ある民間資格の中でも最も取得者数の多い「臨床心理士」でさえ、正職員としての採用枠は必ずしも多くはなく、新資格の取得者がどこまで安定した需要を確保できるかは未知数。
とはいえ、人気分野だけに注目度は満点でしょう。

情報処理技術者試験にユーザー向けセキュリティ区分

情報処理分野の国家試験として、安定した人気を誇る「情報処理技術者試験」。
この試験を実施する情報処理推進機構(IPA)が、「情報処理技術者試験」の新たな試験区分として、「情報セキュリティマネジメント試験」創設を発表しました。来年4月にも第1回試験が実施される予定です。

「あれ?情報処理技術者試験には、既にセキュリティに関する試験がなかったっけ?」と思った方もいるかもしれません。そう。同試験のセキュリティに関する試験としては既に「情報セキュリティスペシャリスト」が実施されおり、多くの受験者を集めています。

今回新たにスタートする「情報セキュリティマネジメント」試験との違いは、前者がITエンジニア向けだったのに対し、後者がエンドユーザー向けであるという点。
つまり「情報セキュリティマネジメント試験」では、「ユーザー企業において、一定の技術知識を持ちつつ、自社内で情報セキュリティ対策の実務をリードできるマネジメント人材」の育成が目指されているということです。

企業にとって、日常の情報セキュリティをどのように管理するかが益々重要になってきているこの時代。
実際には外部委託などで対応するにしても、情報セキュリティマネジメントの計画や改善、コンプライアンスなど、ユーザーとしても最低限の基礎知識を持つことは急務です。社内で必要とされる人材を目指すなら、チェックしておいて損はないでしょう。
試験は、春期(4月第3日曜日)と秋期(10月第3日曜日)の予定。
今から準備を始めてみては?


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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