台風の補償は「車両保険」で備えられる
近年、規模が大きくなってきている台風。被害も大きくなってきている
上村さん:「今月末に新車を購入します。ローンを組んで買う予定ですが、今回の大雨のような天災が起きたらどうなるのでしょうか。自然災害に備えられる自動車保険はありますか?」
ガイド:「車両保険を付ければカバーできます。保険種類は『一般車両保険』でも『エコノミー+A』でもどちらでも大丈夫です。地震や噴火、津波については『地震・噴火・津波車両全損時一時金特約』を付加しなければ対象になりませんが、それ以外の自然災害に関してはおおむね車両保険で備えられます」
上村さん:「どんな補償が受けられますか?」
■図1:車両保険金額300万円、免責10万円の車両保険の場合
ガイド:「こちらの図をみてください。上村さんの車にかけた車両保険の保険金額が300万円で免責金額を10万円にしているとしましょう。車の損害がひどく、300万円以上の修理費がかかる場合や、水没したり、土砂崩れなどに巻き込まれたりして修理不可能な場合は全損となります。この場合、保険金額の全額にあたる300万円が支払われます。修理費が車両保険金額よりも少ない100万円のときは、免責金額10万円を差し引いた金額である90万円が保険金として支払われます」
上村さん:「免責金額を高くすると、もらえる保険金は少なくなってしまうのですね」
ガイド:「全損以外はそうです。免責金額はイザのときの『自腹の額』。高めに設定すると保険料は安くなるのですが、イザの持ち出しが増えるのです。免責金額には、『0-10』『5-10(車対車免ゼロ)』『5-10』『10-10』などがあります。自腹が気になるなら、免責金額を『0-10』にするといいでしょう。『1回目の免責金額は0円、2回目以降は10万円』となります」
車両保険は契約車が事故によって損害を被った時や盗難にあった時に保険金が支払われるものです。車と車の接触・衝突事故だけでなく、火災や爆発、台風(強風・竜巻含む)、大雨、高潮、モノの飛来や落下による損害、いたずら、盗難などを補償します。たとえば、道路での冠水だけでなく、機械式駐車場ごと水没したり、大雨による土砂崩れに巻き込まれたりした場合の車の損害も車両保険の対象になります。
ゲリラ豪雨、運転中・搭乗中のケガはどうなるの?
上村さん:「運転中にゲリラ豪雨に巻き込まれてケガをした場合はどうなるのでしょうか?」ガイド:「自動車保険の人身傷害保険、搭乗者傷害保険の対象になります。突風の影響で運転中に飛んできた看板が車に当たったり、河川の決壊で車が流されてケガをしたりした場合でもこれらの保険を付けていれば、補償の対象になることが多いようです。気になるなら、契約中の保険会社にお問い合わせくださいね」
上村さん:「その車に一緒に乗っていた人はどうなるのですか」
ガイド:「同じです。人身傷害保険と搭乗者傷害保険から保険金が支払われます」
いずれの保険も、契約している車に乗っているときのケガや後遺障害、死亡を補償するものです。対象となる事故は、交通事故だけでなく、急激かつ偶然の外来の事故も該当します。たとえば、マイカーで帰宅途中に台風で木が倒れて大ケガをした、などの場合にも保険金が支払われます。ただし、こちらの場合も地震、噴火、津波は対象外になります。
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