麻婆豆腐や火鍋だけじゃない!重慶の激辛料理
真っ赤で辛いイメージの四川料理の中で、多くの方がイメージするのは、麻婆豆腐や火鍋ではないでしょうか?重慶名物の歌楽山辣子鶏
それが重慶十大料理の一つ「歌楽山辣子鶏(ガーラーシャンラーズジー)」。
最近では日本の四川料理や中華料理店でも辣子鶏を出す店は増えていますが、日本の辣子鶏と重慶郊外の歌楽山で食べる辣子鶏はボリュームが全く異なります。
四川料理の本場・成都のレストランの一般的な辣子鶏と歌楽山辣子鶏を比較しても、唐辛子、花椒の消費は歌楽山辣子鶏の方が2倍近く多い印象です。歌楽山辣子鶏はもう目を疑うばかりの唐辛子と花椒の量を消費します。
今回は重慶に訪れたらぜひ食べてほしい、「歌楽山辣子鶏」について、詳しくご紹介します。
重慶十大料理とは?
2012年重慶市政府が指定した重慶名物の料理は10つあると言われています。歌楽山辣子鶏を除いた重慶十大料理は火鍋を筆頭に以下9つです。写真は重慶で食べられている豆花飯
- 重慶火鍋(ホゥオグオ) … 重慶発祥の火鍋。本場は鉄鍋で赤い紅湯のみ。
- 重慶小面(シャオミェン) … 重慶で食べられているコシのある細麺。
- 万州カオ魚(ワンジョウカオユィー) … 重慶万州市の名物、川魚を炭火で焼いた後、多彩な味煮込む料理
- 豆花飯(ドウホァーファン) … プルプルのおぼろ豆腐をピリ辛のタレにつけ、ご飯と一緒に食べる。
- 毛血旺(マオシュエワン) … 鴨の血をメイン具材として、様々な具材を入れて煮込む激辛料理
- 黔江鶏雑(チンジャンジーザー) … 鶏の内臓と漬物(唐辛子、大根など)を激辛に炒めた料理。
- 翠玉水煮魚(ツイユィーシュイジューユィー) … またの名を重慶火鍋魚。唐辛子、花椒をふんだんに使った激辛料理。
- 南山泉水鶏(ナンシャンチュエンシュイジー) … 重慶市内の南岸区の名物、激辛鶏料理。
- 干鍋(ガングオ) … 様々の具材で楽しめる汁気のない鍋料理。
お店への行き方
林中楽辣子鶏(本店)
行き方は地下鉄1号線の磁器口方面にのり、「楊公橋」で下車。そこから歌楽山行きのバス、又は乗合バンに乗り、約15分です。
乗合バンの場合、一人5元。呼び込みのおじさんが「歌楽山!歌楽山!」と叫んでいるので、メモなど見せて乗せてもらいましょう。
※ガイドが訪れた際は、元々タクシーで歌楽山まで行こうかと思っていましたが、歌楽山へ行くのはすべて断られました。おそらく理由は空で帰ってくる羽目になるからだと思います。
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■林中楽辣子鶏
住所:重慶沙坪バー区歌楽山三百梯黄桷樹
価格:地鶏は1斤(500g)=42元
歌楽山辣子鶏の注文方法
メニューはなく、口頭のみですが、注文方法はいたってシンプルです。新鮮な地鶏を丸一匹注文します
ちなみにその日は一番小さな地鶏で4斤半(2.5kg)の大きさでした。1斤=42元。ガイドは友人と二人で行きましたが、大人二人で丸々一匹の地鶏を食べるのはちょっと多かったです。3~4人がベストですね。
辣子鶏の注文を終えたら、「鶏の内臓はどうする?」と聞かれるので、内臓も炒めてください、と言いましょう。フレーズは「要炒鶏雑(ヤオチャオジーザー)」です。
歌楽山辣子鶏の食べ方
待つこと20分、かねてから食べて見たかった念願の特大辣子鶏がきました。歌楽山辣子鶏を食べているガイド
さて、この料理一体どうやって食べるのか?もちろん唐辛子や花椒は食べません。唐辛子と花椒の山から小さな鶏肉を見つけ出し、パクリと食べる、その行為を延々と繰り返し、少しづつ食べていきます。
新鮮な鶏の内臓はピリ辛です
重慶の地ビール「山城」
ちょっと野菜がほしいという方は「有什マ蔬菜?(ヨウシェンマシューツァイ)」と店員さんに聞き、野菜炒めを注文しましょう。野菜が分からない場合は実際に見せてもらってください。
奥が深い辣子鶏という料理
唐辛子は大量の油で火を通すことで少し膨らみます。鶏肉は味を染み込ませるため、かなり細かく刻みます。そして、しっかり火を通すことで、鶏肉はぎゅっと小さくなります。そのような効果のため、唐辛子が異常に多く、鶏肉はほんの少ししかないように見えます。「一体何を食べるんだ!」というインパクト抜群の辣子鶏の出来上がりです。
残った唐辛子を使って辣椒醤を作る
食べ終わった後は大量の唐辛子と花椒が残ります
店員さんに辣子鶏の皿を指さし「我要辣椒醤」と言ってみてください。きっとおいしい辣椒醤を作ってくれるはずです。
最後に
以前、重慶出身の友人が「重慶の辣子鶏はすごいんです、成都で食べる辣子鶏と全然違います!」と熱弁していたことを思い出しました。この歌楽山辣子鶏を食べた後、あの時、熱弁した友人と同じ熱量でこの記事を書いています。そんな誰をも虜にする魅力がこの歌楽山辣子鶏にあると思います。
みなさんもぜひ、重慶に寄った際は、本場の辣子鶏を食べに歌楽山へ行くという旅程を入れてみてください。昔、こんなすごい料理を食べたんだ、と生涯にわたって語り継げる、そんな料理です。