映画『バクマン。』とバディ映画特集

漫画家コンビが少年ジャンプの頂点を目指す！

『バクマン。』（2015年10月3日公開）
サイコー（佐藤健）とシュージン（神木隆之介）は、コンビを組んで漫画家になり、週刊少年ジャンプで連載を持つことを目標にします。しかし、人気漫画誌の壁は厚く、またジャンプには天才高校生漫画家、新妻エイジ（染谷将太）がいました。二人は編集部に認められ、連載漫画をスタートし、エイジを超えることができるのでしょうか……。
週刊少年ジャンプの連載漫画の映画化なので、編集部の協力のもと、集英社ロケをしたり、編集部のセットは本物ソックリだったり、漫画編集部の裏側を垣間見られるのが楽しい。

しかし、核となっているのはサイコーとシュージンが漫画家として成長していく姿です。前半は目標を掲げて、ガムシャラに突っ走る姿を。後半は壁にぶちあたり、苦悩する姿を描いています。ちなみにサイコーは絵を描き、シュージンは物語を考えるという、この漫画の「原作：大場つぐみ・漫画：小畑健」と同じスタイルを踏襲しています。
バディ映画はロードムービーだったり、アクションなどのバトルがお約束のように入るものが多い中、この映画の二人は漫画家なので、基本的には机と向き合い、紙とペンが武器。でもそれじゃ映画としては絵にならないので、プロジェクションマッピングを使って、次々と漫画のコマが仕上がっていくプロセスを映し出したり、エイジVSサイコー＆シュージンの連載バトルでは、ペンを剣に例えてアクションを加えたりといった工夫が凝らされていて、高校生漫画家らしい勢いを感じさせます。

また二人の友情だけでなく、編集者との信頼関係や漫画家仲間が助っ人に入ったりという人間関係の濃さにもジンとさせられる青春映画の快作です！


監督・脚本：大根仁　出演：佐藤健、神木隆之介、染谷将太、小松菜奈、桐谷健太、新井浩文、皆川猿時、宮藤官九郎、山田孝之、リリー・フランキーほか
(C)2015映画「バクマン。」製作委員会

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