フォレスターが安全装備を大幅強化してマイナーチェンジ
昨今の日本車の売れ行きを分析すると、コンパクトカーにミニバン、SUVが大きな柱になっている。燃費が良くてリーズナブルなコンパクトカーは日常の道具だし、3列シートのミニバンも子供の居るファミリーからすれば必需品。SUVのみが“クルマ好き御用達の嗜好品”というイメージ。…という中で、スバル・フォレスターがマイナーチェンジを行った。このクラス、フォレスターとマツダCX-5、そして日産エクストレイルが売れ筋。それぞれ得意技を持つ。CX-5はパワフルなディーゼル、エクストレイルと言えばハイブリッド。省燃費エンジン持たないフォレスターの売りは自動ブレーキのアイサイトといった具合。今や「事故を回避出来る能力持つ自動ブレーキ」のニーズも高いのだった。
もちろんCX-5とエクススレイルもアイサイトほどの能力は持っていないけれど、自動ブレーキを選べる。そんなことから直近の売れ行きを見ると燃費の悪いフォレスターはこれまで劣勢。「このあたりで大幅なテコ入れをしよう!」ということなのだろう。白黒カメラだった旧世代のアイサイトを、カラーにグレードアップしたアイサイト3を採用した次第。
ちなみにCX-5の自動ブレーキは停止している車両に対して完全に止まれる自動ブレーキ性能が30km/h程度まで。歩行者感知機能は無し。エクストレイルの場合、自動ブレーキ&対歩行者自動ブレーキは30km/h程度まで。一方、アイサイト3を先行採用しているレヴォーグなら、公的な試験結果で自動ブレーキ50km/h以上と圧倒的である。
欧州の自動ブレーキ試験の結果でもアイサイトはライバルを圧倒している。その上、今回のマイナーチェンジでドライバーから視認しにくい後方&側方に接近してくる車両や自転車を検出し、警報を出す機能も(ブラインドスポット警報などと呼ばれる)オプションに加えてきた。今、売っているSUVの中で世界最高の事故防止能力を持つと言って良い。
弱点だった「一世代前の足回り」はどうなった?
その上でフォレスターの弱点とされていた乗り心地の悪さと燃費を改善したとアピールしている。実際、一世代前のスバル車に共通する「道路のデコボコを探す機械」のようだった乗り心地については年次改良を行ったモデルからドンドン良くなっており、フォレスターが最後に残った「一世代前の足回り」だった。燃費もディーゼルやハイブリッドという特殊なパワーユニットこそ持っていないけれど、2リッターエンジンの効率を追求。CVTも日本の道路事情に合わせ上手に使った結果、JC08で16km/Lという4WDの2リッター車としては特上クラスの低燃費を実現している。機会あったら様々な道路環境で試乗し、実燃費をチェックしてみたい。
スバルは日本の自動車メーカーの中で最も「安全」に対する意識が高く、フォレスターの装備表を見たら当然の如くサイド&カーテンエアバッグを全車標準装備。安全装備をテンコ盛りした『2,0i-Lアイサイト』(側方&後方レーダーのオプションを含む)は285万1200円となる。
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