2015年10月のオススメ展覧会・美術展
芸術の秋も本番、話題の展覧会が続々と開催されています。混雑を避けるには平日の夜なども利用すると、快適な鑑賞ができるはず。会社帰りにさっそく美術館に出かけてみませんか?◎2015年10月のオススメ展覧会・美術展-目次-
■永青文庫(江戸川橋):春画展
■サントリー美術館(六本木):「逆境の絵師 久隅守景 親しきものへのまなざし」展
■練馬区立美術館(中村橋):アルフレッド・シスレー展-印象派、空と水辺の風景画家-
■21_21 DESIGN SIGHT(六本木):建築家 フランク・ゲーリー展 “I Have an Idea”
■そごう美術館(横浜市): そごう美術館開館30周年記念 生誕120年 鈴木信太郎展 ~親密家のまなざし~そごう美術館コレクション
幾多の困難を経てようやく日本で開催!
永青文庫(江戸川橋):春画展
鈴木春信「夕涼み」
春画とは、愛のいとなみを表現した絵画のこと。古くは平安、鎌倉時代から肉筆画で存在し、版画技術が発達した江戸時代に栄華を極めました。男女、同性同士、ときには動物などとの組み合わせは、ユーモアも交え、美しさも極められたもの。国内のみならず海外にもファンが多く2012年から2013年にかけて開催された大英博物館の展覧会は大盛況となりました。
しかし、その包み隠さず見せてしまう表現ゆえ、春画展を日本へ巡回させようとすると大変な困難がつきまといます。主要な美術館では軒並み開催が見送られ続けていたのですが、このたび、元首相で永青文庫理事長である細川護熙氏の英断で展覧会が実現、日本で初めての春画展が開催されることになったのです。
展覧会では、肉筆画約40点を含む国内外の133点を展示。淡い色合いで涼しげな表情がかわいらしい鈴木春信、華やかさが目を惹く喜多川歌麿、タコの親子と女性の組み合わせという現代人でもドン引きする組み合わせを描き切った葛飾北斎など、教科書でも目にする浮世絵師の春画もじっくりと鑑賞できます。
喜多川歌麿 「歌満くら」 浦上満氏蔵
また、カーテンの模様が細川家の家紋である九曜がちりばめられていたり、廊下の本棚、昔ながらの窓や階段の手すりなど、永青文庫は建物や調度品も雰囲気があって鑑賞ポイントのひとつ。あわせて堪能してください!
■展覧会DATA
展覧会名称:春画展
会場:永青文庫
会期:2015年9月19日(土)~12月23日(水・祝)
開館時間:9:30~20:00
※日曜は18:00まで
※入室は閉館の30分前まで
休館日:月曜日
※祝日の場合は開館
Web: http://www.eiseibunko.com/shunga/
次のページではサントリー美術館(六本木):「逆境の絵師 久隅守景 親しきものへのまなざし」展を紹介します。