謎につつまれた画家の半生にせまる
サントリー美術館(六本木):「逆境の絵師 久隅守景 親しきものへのまなざし」展
国宝 納涼図屏風 久隅守景筆 二曲一隻 江戸時代 17世紀 東京国立博物館 Image: TNM Image Archives
江戸時代初期に活躍した画家、久隅守景。月を眺めながら夕顔棚で涼む一家を描いた国宝《納涼図屏風》などの傑作を遺した守景ですが、じつは生没年、出身地など彼の生涯について詳しいことはわかっていません。現在わかっていることは、若くして狩野探幽に弟子入りし、頭角を表していたこと。探幽の姪を妻に迎え、二人の子どもをもうけたこと。二人の子どものうち娘は兄弟弟子と駆け落ち。息子は佐渡ヶ島へ島流しになってしまったこと。そして探幽のもとを去ってしまったこと…。けれども、絵を描くことをあきらめず、晩年には加賀藩前田家により金沢に招かれ、北陸地方で活躍したことなど。つまり、非常に激動の半生だったということだけ。
この展覧会は、そんな謎につつまれた久隅守景に迫る美術館。鳥も人もいきいきと躍動感あふれる《鷹狩図屏風》をはじめ、狩野派の技術を礎に独自の境地を切り開いていった彼独自の世界を、数々の作品から検証していきます。
■展覧会DATA
展覧会名称: 逆境の絵師 久隅守景 親しきものへのまなざし
会場:サントリー美術館
会期:2015年10月10日(土)~11月29日(日)
開館時間:10:00~18:00
※金曜・土曜、および10月11日(日)、11月2日(月)、11月22日(日)は20時まで開館
※入場は閉館の30分前まで
休館日:火曜、11月4日(水)
※ただし11月3日は開館
Web: http://suntory.jp/SMA/
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