中秋とは秋のど真ん中
どこからか虫の声が心地よく響いてきて、ひんやりとした夜気に月光が冴えわたる秋。秋といえばお月見ですね。昔から、一年のうちでもっとも美しい月として有名なのが「中秋の名月」。この「中秋」って何でしょう? それは、旧暦の季節区分を知ればわかります。
【旧暦の季節区分】
・春……1月・2月・3月
・夏……4月・5月・6月
・秋……7月・8月・9月
・冬……10月・11月・12月
旧暦で秋は7月・8月・9月の3ヵ月。その期間のちょうど真ん中を「中秋」と呼び、8月15日をさします。中秋の名月とは旧暦8月15日の月のことで、(秋の)十五夜ともいいます。
よく混同される「仲秋」は、旧暦8月全体をさすので、「仲秋の名月」と書くのは誤りです。
澄みきった秋の夜空に名月が美しく輝きます
ところで、「中秋の名月って、満月のことじゃないの?」と思っている人が多いかもしれませんが、中秋の名月が必ずしも満月になるとは限りません。その理由は2つあります。
一定ではない月のスピード
月が地球の周囲をまわるスピードは一定ではありません。それは月が地球を周回する軌道が楕円のカタチをしているため、地球に近づいたり遠ざかったりしているから。地球に近いと月のスピードは速くなり、遠いと遅くなります。そのため、新月から満月に至るスピードが遅いと満月よりも前に中秋の名月を迎えることになり、スピードが速いと満月の後に名月になりうるわけです。月齢と日付のタイミング
旧暦では、毎月第1日目は必ず新月の日。また、新月の瞬間から満月の瞬間に至る日数は、およそ14.76日です。新月の日を1日(ついたち)として数えはじめて15日目が中秋ですから、月齢が0.0となる新月の瞬間が、旧暦8月1日のどの時刻におきるかによっても日付と満月のタイミングに影響します。満月が旧暦8月14日や16日、17日になるケースもあるのです。それでは、2001年から2020年までの中秋の名月と満月の日付を見てみましょう。
【西暦/中秋の名月(旧暦8月15日)/満月】
2001年/10月02日/10月01日
2002年/09月21日/同じ
2003年/09月11日/同じ
2004年/09月28日/同じ
2005年/09月18日/同じ
2006年/10月06日/10月07日
2007年/09月25日/09月27日
2008年/09月14日/09月15日
2009年/10月03日/10月04日
2010年/09月22日/09月23日
2011年/09月12日/同じ
2012年/09月30日/同じ
2013年/09月19日/同じ
2014年/09月08日/09月09日
2015年/09月27日/09月28日
2016年/09月15日/09月17日
2017年/10月04日/10月06日
2018年/09月24日/09月25日
2019年/09月13日/09月14日
2020年/10月01日/10月02日
20年間のうちで、中秋の名月と満月が同日になるのは7回。意外と少ないと感じませんか?
ちなみに次回、中秋の名月と満月が同日になるのは2021年9月21日。東京五輪よりも先のこととなります。
2018年の名月は9月24日
2018年の中秋の名月は、9月24日(月)です。満月は翌日(25日)なので、ほんの少しだけ欠けた状態の名月となります。
9月24日の月の出の時刻は17時27分、南中は23時17分、月の入りは翌日の5時13分です(東京の場合)。
さて、ここで疑問に思う人がいるかもしれません。
お団子やススキをお供えするのもお月見の楽しみ
中秋の名月とは、旧暦8月15日の夜に見る月のこと。それなのに、9月24日(旧暦8月15日)から25日(旧暦8月16日)へ日付が変わってしまっても中秋の名月といえるのか、と。
確かに、旧暦が使われていた時代にも、夜半(午前0時)に日付が変わるという概念はありました。
しかし、目の前に見えている中秋の名月が、午前0時を境にまったく別物になるのは不自然というもの。
夜そのものに境目はありませんし、昔の日本人が夜通しお月見をしていたことからも、月が空にいる間は中秋の名月といえるでしょう。
ですから、9月24日の夕方から25日未明にかけて、心ゆくまで名月をお楽しみください。
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