12星座と太陽の関係

全天には88の星座があります。その中で、星占いで使われるのは12。これには意味があります。

空の中で、12星座は一列に並んでいるように見えます。順番にたどっていけば、ぐるっとひと回りして、また元の位置(星座)に。まるで12星座でできた環状線、といった感じでしょうか。その環状線は、地球から見た太陽の通り道と重なっています。

数千年前、占星術が誕生した当時の社会では、太陽には特別な力があると考えられていました。そのため、太陽の通り道に位置している12の星座が重要視されたのです。

星占いで、「私はふたご座生まれです」というとき、それは「生まれた日に、ふたご座あたりに太陽がいた」ということを意味しています。つまり、毎年誕生日がめぐってくる頃になると、誕生星座は太陽の背後にいて、昼の空の中を太陽と一緒に移動し、夜になれば地平線の下へ沈んでしまいます。だから誕生日の夜に空を見上げても、自分の星座を見ることはできません。

それでは、誕生星座が見頃を迎えるのはいつかというと、誕生日から3~4ヵ月ほど前になります。ふたご座生まれの人の誕生日は、5月21日頃から6月21日頃。季節は、さわやかな初夏ですね。けれど、実際に夜空でふたご座が見やすい高さにいるのは、冬の終わりから早春にかけてです。星座のガイドブックなどでは、冬の星座に分類されています。
 

双子座の位置は「冬の大三角形」の真上

冬の終わりから春先にかけて、宵に南の空を見上げると、仲良く並んだ2つの星が目に飛び込んできます。ふたご座の「カストル」と「ポルックス」です。星座絵で確認すると、双子のそれぞれの頭部で輝いているのがわかります。

一見、同じくらいの明るさに感じますが、向かって右(西方向)のカストルは色白の2等星、左(東方向)のポルックスはほんのりと赤みを帯びた1等星です。
どの季節に見れる? 双子座の星座絵と星の並び

星と星をつないだ形が対称的。街灯の影響を受けない暗い夜空なら、星座全体がとらえやすいでしょう


ちょんちょんと並んだ2つの星は、夜空でとても目立つ存在。昔から注目を集めていたらしく、日本では「めがね星」「金星・銀星」「猫の目」などと呼ばれていました。

市街地でも簡単に見つけられる星ですが、わかりにくいときには、シリウス(おおいぬ座)、プロキオン(こいぬ座)、ベテルギウス(オリオン座)が形作る「冬の大三角」の真上を探してみましょう。仲良く並ぶカストルとポルックスがすぐに見つけられるはずです。
ふたご座と冬の大三角

冬の大三角をガイド役にすると、カストルとポルックスが見つかります


カストルは肉眼ではひとつの星にしか見えませんが、望遠鏡で見てみると2つの星に分かれて見えます! これを「二重星」と呼びます。しかし実際は、それぞれの星も二重星(つまり四重星)であるうえに、それらの星の周りを別の二重星が回っているというから驚きです。カストルは、なんと六重連星という大変複雑で珍しい星。カストル自身が、六つ子なのです。
 

カストルは人、ポルックスは神

ふたご座には、こんな星座物語があります。

大神ゼウスとスパルタの王妃レダとの間に双子の男の子が生まれました。兄のカストルは、母の血を濃く受け継ぎ、人間として限りある命です。一方、弟のポルックスは、父の血を濃く受け継ぎ、神の子として永遠の命を授かりました。2人はすくすくと成長し、いつでも何をするのも一緒で、とても仲良しでした。

ある日、いとこの投げた槍がカストルの体を貫き、カストルは死んでしまいます。深く悲しんだポルックスは、あとを追って自分も死のうとしますが、永遠の命を持つため死ぬことができません。そこで、父である大神ゼウスにカストルのもとへ行きたいと強く願いました。ゼウスは心を動かされ、カストルとポルックスが一緒に死者の国と神の国を交互に行き来できるようにはからいました。そして、世界中の兄弟姉妹がカストルとポルックスの兄弟愛を手本にできるように、双子の姿を星座にしたといいます。

双子でありながら神と人間という対照的な2人。にもかかわらず、とても仲が良かったり、死者の国と神の国を交互に行き来したりすることに象徴されているように、異なる2つの世界で自由に交流する、そんな隔てのなさがふたご座のストーリーには秘められています。

さあ、ふたご座生まれのみなさん、夜空を見上げて誕生星座を探してみませんか。はじめて自分の星座を見つけたときの喜びは、忘れられない感動体験となるでしょう。星と自分のつながりが感じられ、星の世界がぐっと身近になるはずです。

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