日付に対応している月の名前

「三日月」とは、新月の日を1日目と数えて、3日目(3夜目)に出てくる月という意味。旧暦(太陰太陽暦)の1月3日、2月3日、3月3日……というように、各月の第3日目の月は、すべて三日月です。

旧暦では、毎月1日は必ず新月の日。つまり三日月という名称は月齢には関係がなく、旧暦の日付を根拠にしているのです。
夕空に輝く月

夕焼け空に輝く月。月の名前を知らなくたって、月が美しいことに変わりはありませんね


旧暦の日付と月の満ち欠けは対応していて、日ごとに月の名前が次のように変わっていきます。

・1日……朔(さく)
朔とは新月のこと。また、「朔日」と書いて「ついたち」と読みます。

・2日……二日月
・3日……三日月
・4日……四日月
・5日……五日月
・6日……六日月
・7日……七日月
・8日……八日月
・9日……九日月
・10日……十日月
・11日……十一夜
・12日……十二夜
・13日……十三夜


ここまでは日付の順を追った名前ですが、14日から20日までは、ユニークな名前がついています。月の出が、前日よりも平均50分遅いことを踏まえると、名前の意味や情景がよく理解できます。

・14日……小望月(こもちづき)、待宵月(まちよいづき)
十五夜(望月)の前日。待宵とは字の通り、宵になるのを待つことです。

・15日……十五夜、望(ぼう)、望月(もちづき)
十五夜といえば、ほぼ満月です。望月とは満ち足りたさまを表します。望には「願うこと」という意味もありますから、まんまるの月に願いをかけたくなる人の心理は、昔も今も変わらないのかもしれません。

・16日……十六夜(いざよい)
前日の十五夜に比べて、少し遅い時刻に昇ってきます。昔の人は、月自身が出てくるのを躊躇しているように感じたのでしょう。「いざよい」とは「ためらう」という意味です。

・17日……立待月(たちまちづき)
さらに遅れて出てくる月を、まだかまだかと立ったまま待つ様子を表しています。

・18日……居待月(いまちづき)
立ったままでは疲れるので、座って月の出を待ちます。

・19日……寝待月(ねまちづき)
待ちくたびれて、ごろんと横になって月を待ちます。

・20日……更待月(ふけまちづき)
とうとう夜が更ける頃でないと月は昇ってきません。

街灯がなかった時代、闇夜を照らすのは月明かりのみ。暗闇の中で、人々が月の出をどれほど待ちわび、月の明かりを求めていたことか。その暮らしぶりを想像しながら月の名前を見ていくと、昔の日本人と月が親密な間柄だったことが伝わってきます。

21日以降は、日付の順を追った名前に戻ります。

月の満ち欠け

日に日に変わっていく月のカタチ。月の名前、全部いえますか?

・21日……二十一夜
・22日……二十二夜
・23日……二十三夜
・24日……二十四夜
・25日……二十五夜
・26日……二十六夜
・27日……二十七夜
・28日……二十八夜
・29日……二十九夜
・30日……晦日(つごもり)

月が隠れて見えなくなる「月隠(つごもり)」から転じた言葉といわれています。

このように旧暦のひと月は、月の満ち欠けを基準としています。満ち欠けの周期は約29.5日のため、ひと月は29日間もしくは30日間のどちらかです。最終日が29日の場合は、29日が晦日になります。

最後に、冒頭の話に戻りましょう。
今日の月が三日月かどうか知りたいとき、確かに月齢は目安になります。ですが、新月の日を1日目と数えて3日目が三日月と覚えるほうが簡単、しかも正確。十三夜にしても十五夜にしても同様です。