企業経営のノウハウ/企業と経営の関連情報

仕事がはかどる、スタッフのためのコミュニケーション(2ページ目)

企業組織におけるスタッフとライン。ラインの事業活動が円滑に進むように、スタッフがサポートをするという関係。具体的には、ラインである営業のサポートとして、人事部、総務部、経理部が存在することになります。スタッフ部門では、企業のルールを決め、ライン、スタッフを含めた全社に告知して遵守してもらう、そのような仕事も多いかと思います。その際、是非意識して欲しいコミュニケーションがあります。ご紹介しましょう。

豊田 健一

執筆者:豊田 健一

総務人事・社内コミュニケーションガイド

知るとともに、知られるコミュニケーション

スタッフがコミュニケーションしている様子

現場を知るとともに、現場に知られることで、仕事がスムーズに進む

このように、社内マーケティングを通じて、社員のことを「知る」ことになります。 そして、これは、机の上で仕事をしているだけでは決して実践できるものではありません。現場に足しげく通い、また多くの社員とのコミュニケーションを通じて、働き方と興味関心事を把握することが可能となります。

むかし「ぶらぶら社員」として、新聞に取り上げられた方がいました。現場を回って、いろいろな社員とコミュニケーションすることがミッションである「ぶらぶら社員」。ここまで本格的にぶらぶらしなくても、現場に出歩くスタッフを多く見かけます。

あるアパレルの総務スタッフは、終業時間後すぐに同一ビル内の他の部門に出向き、現場をくまなく歩いています。総務なので施設の保全ということもあるかと思いますが、終業時間後のリラックスした時間帯に、現場の社員とコミュニケーションするのです。

このようにぶらぶらすることには、どのような効果があるのでしょうか? 先に記したように、現場のことを知るとともに、ぶらぶらすることで、そのぶらぶらしているスタッフ自身も現場、ラインの社員に知ってもらうという効果があります。

スタッフの仕事はラインの方とのコミュニケーションを通じた仕事が大半ですから、双方が知り合いだと、仕事がスムーズに進むはずです。見ず知らずの人に「このルールを守って下さい」と言われるより、知り合いに言われた方が守る気にもなるのではないでしょうか?

情報発信という側面で言うと、「何が情報発信」されているかというより、「誰が情報発信」しているのかが気になるものです。ですから、積極的に現場に出向き、顔を売り、自分の仕事を理解してもらい、さらに、どのような思いで仕事をしているかをアピールするのです。

「あいつに言われたらしょうがない」、そんな思いを持ってもらったら、スタッフからの情報発信、特に行動を依頼するメッセージが円滑に受け止められていくのではないでしょうか?

結局、スタッフの仕事は、どこを向いているかと言えば、社内の他の社員です。その社員との良好な関係性が無い中で、円滑な仕事は成立しえません。良好な関係性の構築には、お互いが知り合いであり、双方のバックグラウンドの理解が大切です。

ですから、積極的に現場に出向き、現場を知るとともに、知られる努力、しってもらうためのコミュニケーションが大切となるのです。

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