知るとともに、知られるコミュニケーション
現場を知るとともに、現場に知られることで、仕事がスムーズに進む
むかし「ぶらぶら社員」として、新聞に取り上げられた方がいました。現場を回って、いろいろな社員とコミュニケーションすることがミッションである「ぶらぶら社員」。ここまで本格的にぶらぶらしなくても、現場に出歩くスタッフを多く見かけます。
あるアパレルの総務スタッフは、終業時間後すぐに同一ビル内の他の部門に出向き、現場をくまなく歩いています。総務なので施設の保全ということもあるかと思いますが、終業時間後のリラックスした時間帯に、現場の社員とコミュニケーションするのです。
このようにぶらぶらすることには、どのような効果があるのでしょうか? 先に記したように、現場のことを知るとともに、ぶらぶらすることで、そのぶらぶらしているスタッフ自身も現場、ラインの社員に知ってもらうという効果があります。
スタッフの仕事はラインの方とのコミュニケーションを通じた仕事が大半ですから、双方が知り合いだと、仕事がスムーズに進むはずです。見ず知らずの人に「このルールを守って下さい」と言われるより、知り合いに言われた方が守る気にもなるのではないでしょうか?
情報発信という側面で言うと、「何が情報発信」されているかというより、「誰が情報発信」しているのかが気になるものです。ですから、積極的に現場に出向き、顔を売り、自分の仕事を理解してもらい、さらに、どのような思いで仕事をしているかをアピールするのです。
「あいつに言われたらしょうがない」、そんな思いを持ってもらったら、スタッフからの情報発信、特に行動を依頼するメッセージが円滑に受け止められていくのではないでしょうか?
結局、スタッフの仕事は、どこを向いているかと言えば、社内の他の社員です。その社員との良好な関係性が無い中で、円滑な仕事は成立しえません。良好な関係性の構築には、お互いが知り合いであり、双方のバックグラウンドの理解が大切です。
ですから、積極的に現場に出向き、現場を知るとともに、知られる努力、しってもらうためのコミュニケーションが大切となるのです。