漢方・漢方薬

生理周期でわかる!漢方的な生理痛対策(2ページ目)

漢方では、月経トラブルは周期・期間・経血量・色・質・痛む時期・痛みのタイプなどさまざまな角度から判断してその人に合った対策をします。そのなかでも今回は「生理周期」でわかるタイプと漢方薬をご紹介しましょう。

杏仁 美友

執筆者:杏仁 美友

国際中医師 / 漢方・薬膳料理ガイド

月経周期が遅い(通常より7日以上遅れる)

人参養栄湯は、気血を補い不眠や咳にもよい漢方

人参養栄湯は、気血を補い不眠や咳にもよい漢方

血液不足(血虚)タイプ
子宮や卵巣などの機能を補う栄養分が不足して、予定通りに月経が来ない。経血が少なく、色もうすい。しくしく痛む。顔色が白っぽく、動悸やめまい、倦怠感をともなう。人参養栄湯(にんじんようえいとう)が代表薬。

冷え(寒証)タイプ
カラダが冷えて血行が悪くなり、子宮や卵巣に繋がる経脈を養うのに時間がかかる。下腹部が冷たくて痛むので、温めるとラクになるのが特徴的。手足が冷たく、レバーのような血の塊が出ることもある。温経湯(うんけいとう)が有名。

ストレス(気滞)タイプ
ストレスなどの気のうっ滞から血行不良となり、子宮や卵巣に繋がる経脈を養うのに時間がかかる。下腹部や胸脇、乳房に脹れるような痛みがあり、レバーのような血の塊がでることもある。逍遥散(しょうようさん)や、熱っぽい症状があるなら加味逍遥散がオススメ。

水分代謝が悪い(痰湿)タイプ
体内の余分な湿気や痰が、子宮や卵巣に繋がる経脈の流れを滞らせ、血液循環も悪くなる。経血量が少なく、色もうすい。むくみがちで、おりものがあったり、肥満タイプも多い。よく用いられるのは胃腸の機能も整える二陳湯(にちんとう) 。

月経周期が不定期(7日以上早かったり、遅くきたりする)

初潮や閉経時も周期が不安定になりますが、月経周期には腎、脾、肝の3つの機能が深く関連しているとされます。腎の機能が弱まると、周期の不定期に加え、めまいや耳鳴り、ひざ腰のだるさ、夜間尿などのトラブルが出やすくなり、金匱腎気丸(きんきじんきがん)などで対応します。

脾は消化機能の総称で、気や血のもとをつくる場所でもあります。食欲がなく脹満感があったり、疲れやすいタイプは補中益気湯がオススメです。

肝はストレスや憂うつな気分をまっさきに受ける場所です。肝の機能が悪くなるとため息が多くなったり、胸脇や乳房・下腹部の脹れ、経血にレバーのような塊が出やすくなります。肝の機能を調節する逍遥散(しょうようさん)や、熱っぽい症状があるなら加味逍遥散がベストでしょう。


生理痛によく処方される漢方や、生理時に食べるとよいものなどの記事も参考に。漢方薬を試したい場合は、ドクターや漢方の専門家に相談してから購入してくださいね。

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