マンション相場・トレンド/新築マンションレポート

「エネファーム」採用「ブランズシティ品川勝島」竣工

2015年9月に竣工した「ブランズシティ品川勝島」は、マンションとしては初めて全戸に家庭用燃料電池「エネファーム」を採用。創エネ、畜エネ、省エネを組み合わせで電気使用量の削減やランニングコストの低減を図っています。台風18号がもたらした、歴史的な豪雨による河川の決壊による浸水被害は、自然災害の怖さをあらためて認知するとともに、その備えの重要性を実感しました。現地を訪ねマンションの防災を考えます。

岡本 郁雄

執筆者:岡本 郁雄

マンショントレンド情報ガイド

全戸「エネファーム」採用マンション「ブランズシティ品川勝島」竣工
ケヤキ並木が迎えるガラス張りのエントランス

シェアプラザとエントランス

「ブランズシティ勝島」のシェアプラザとエントランス

マンションとしては初となる全住戸「エネファーム」を採用した大規模マンション「ブランズシティ品川勝島」(東急不動産)が竣工しました。近くに京浜運河が流れる東京ベイフロントに立地。「品川シーサイド」なども身近な全356邸です。
シェアラウンジからシェアガーデンを望む

シェアラウンジからシェアガーデンを望む

マンションのコンセプトは、マンションの施設などをシェアして良さを享受すること。プライベートガーデンのシェアや本を持ち合い楽しむシェアライブラリーなど設置しています。
シェアライブラリー

シェアライブラリー

1階の共用部には、各家庭で不要になったグッズを無償で提供するコーナーも設置。子供用の用品など年齢とともに使えなくなったものをマンション内で融通するのは、なかなか良いアイデアだと思います。
共用部のディスプレイ

共用部のディスプレイでエネルギーの状況が確認できる

同マンションでは、家で使う電気とお湯を一緒につくりだすエネルギー利用効率の高い「エネファーム」を各家庭で採用するとともに、HEMS、MEMSも導入。
「エネファーム」

各住戸に設置される「エネファーム」

各家庭の電気使用量は、スマートフォンで確認が可能。エネファームの発電量やガスの使用量もチェックできます。また、宅内に置くエネジーオーブは、気温や湿度・照度などを感知し光の色で通知。省エネ行動を誘発します。
エナジーオーブ

エナジーオーブ(左)とスマートフォンのディスプレイ

屋上には、約20kWと約10kWの太陽光発電パネルを設置。共用部の電力に使用するとともに、一部を定置型蓄電池を通じてEVカーの蓄電池に利用します。

災害発生時には、ラウンジが防災拠点に 非常用発電機を設置
貯湯タンクには、約100リットルの生活用水 ミニショップには食料品も

今回の台風による洪水被害を見ても、ライフライン復旧までの大変さをあらためて実感します。「ブランズシティ品川勝島」を例に、マンションの防災面を考えると近年のマンションの防災面への備えを感じます。
シェアラウンジ

「ブランズシティ品川勝島」のシェアラウンジ

まず、共用施設として使われるラウンジなどは、災害時に防災拠点として使われます。災害時に怖いのは、情報が遮断されること。身近に防災拠点があれば、情報の共有によって現在の状況は確認しやすいでしょう。防災備蓄庫内には、ハンドメガホンや災害用マンホールトイレ、ガス発電機なども用意。非常用発電機だけで、共用部の3日分の電力を確保するとともに、太陽光発電の電力やEV蓄電池からの電力を72時間超過しても利用ができます。停電時のコンセントにも供給されるので、電気をシェアして利用できます。

また、各家庭のエネファームのタンクには、約100リットルの水が入っています。生活するのに必要な生活用水をある程度確保することが可能です。「ブランズシティ品川勝島」のマンション内の1階には、ミニショップがオープンします。ここに在庫されている日用品や食料品も災害時には活用されます。最近のマンションでは、ベンダーコーナーの飲料を災害時は非常用飲料としているケースもあるので、そうした備えは予め確認したいポイントです。

首都圏をはじめ多くの自治体では、万が一の洪水に備えてハザードマップを用意しています。もしもの時にどのくらい被害が発生するのか事前に調べるとともに、今住んでいるマンションや検討しているマンションの防災対策はどうなっているのかは、今回の被害を教訓に事前によく確認しておきましょう。


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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