新しいナイーフはどんなふうに変わったか
さっくりとやさしい味わいの「メロンパン」
「昔は講習会などで製パンを学ぶたびに、こうじゃないといけない、と思い込んで、真面目にそれを究めていたところがあります。でも、関西やパリで過ごしたことで、変にとらわれることなく自分の想いでいろいろなパンを焼いている人たちとの出会いがあって、こうじゃないといけない、というのはないんだな、と思うようになりました。製法は大事だけれど、所詮、おいしいか、そうでないか。食べていいな、おいしいなと思えるものを作っていきたいですね。製パン講師の準備も進めています」。
「焼きカリー」はブリオッシュ生地であっさり
―― 昔のナイーフと今のナイーフの間にはさまざまなご経験が横たわっていますね。それは新しい店にどんなふうに影響するでしょう。谷上さんを最近取材したのは京都八百一本館の「ザ・ブレッド」でしたが、そこにあったような、野菜を練りこんだパンや豆のかたちのパンなど、楽しいパンも?
「やっていきたいですね。京都でつくりあげた加水100%のシリアルブレッドもやりたいですね」
谷上さんと共に移動する「ホップ種」
シリアルブレッドはホップ種を使って発酵をとります。取材日、レーズンの液種やホップ種を使った手間のかかるパンはまだ準備中でしたが、特にこのホップ種のパンには注目です。神戸の店ではハードトーストに、京都ではシリアルブレッドに使われたこの種は、同じものをずっと継いでいて、常に谷上さんと共にある酵母種なのです。こういうのを転々酵母と言います。というのは冗談ですが、ホップ種のパンは要チェックです。
今後、カンパーニュやドイツパンも登場予定
―― 最近行かれたフランスでのご経験を振り返って、今の店ではどんなところを取り入れたいと思いますか。
「昔は本当にハードな毎日で、労働時間がきつかったんです。こんどはフランスのゆるい感じを見習いたいです。労働時間の短さもね」
谷上正幸さん、史栄さん
忙しかった日々、店頭で指揮をとっていたマダムの史栄さんも久しぶりに店に立ちます。かつて、ナイーフを通過していったスタッフは述べ100人にも上るといいます。「もちろん今でも繋がっている人たちもいますが、そうでない人たちもたくさん。スタッフにも、お客さんたちにも、お世話になった方々にまたお会いしたいです。ぜひ来てくださいね!」と史栄さん。いずれはナイーフのカフェもオープンすべく計画中です。また、新しいナイーフでは通販の準備もしているそうです。
新生「ラ・ブランジェ・ナイーフ」は2015年9月25日9時オープンです。
ラ・ブランジェ・ナイーフ
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ラ・ブランジェ・ナイーフ
住所:世田谷区若林3-33-16第一愛和ビル1F
電話:03-6320-9870
営業時間:10時~19時半
定休日:火曜(臨時休業あり)
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東急世田谷線若林徒歩2分