普段、軽自動車に乗っている人なら感動する新型ソリオの広さ
スズキにとって貴重な普通車登録(白ナンバー)の売れ筋モデルである『ソリオ』がフルモデルチェンジした。元々は軽自動車のワゴンRのボディを拡幅して急ごしらえしたクルマながら、予想外のヒットとなったためスズキもホンキになったのだろう。新型は新しいシャシを採用している。
ソリオの面白さは、このクラスで唯一のミニバンだという点だ。ライバル車はホンダ・フィットやトヨタ・ヴィッツ、日産・ノートなど1200~1300ccエンジン搭載のコンパクトカーなのだけれど、全て乗用車タイプ。当然ながら室内スペースだって広くない(フィットのみ広いです)。
ちなみにソリオの車高は1745mmある。ライバル車の全高を見ると、全てタワーパーキングに入る1550mm以下。加えて車幅1625mmで、ライバルより狭いものの軽自動車より145mm広い。軽自動車だって十分広いのだから、それより幅広のボディを持たせれば「驚くほど広い!」と感心するスペースになるという寸法。
実車に座ってみると、コンパクトカーと思えないくらい広い! フロントシートなどセンターウォークスルーになっているほど。左右方向の余裕もタップリだ! これなら家族4人+荷物を積んでのドライブだって平気でこなす。軽自動車に乗っている人なら感動するに違いない。
安全装備はレクサスの自動ブレーキすら凌ぐ性能
搭載されるエンジンは1200ccのデュアルジェット(1気筒あたり2つのインジェクターを持つ高効率タイプ)で、スズキ得意の簡易型ハイブリッドシステムと組み合わせている。正確に表現すれば、ハイブリッドというより、大がかり案アイドリングストップ装置と言って良い。発電機(オルタネータ)をモーターとしても使い、ホンの少しながらエンジンの補助にするというシステム。モーターで発進出来るようなパワーこそないが、最小限のコストで確実に燃費を向上させる効能を持つ。結果、燃費自慢のフィット(売れ筋グレードで24.6km/L)を大きく凌ぐ27.8km/Lという軽自動車並のJC08燃費を実現した。そんなことで、車内スペースや燃費はクラストップなのだった。
さらに安全装備も万全。スズキは大半のモデルに『レーダーブレーキサポート』なる、レーダーなど使ってもいないインチキな自動ブレーキを使っているが、新型ソリオとスペーシアにだけは『デュアルカメラブレーキサポート』を採用(※詳細はこちらの記事を参照)。これは1000万円を超えるレクサスの自動ブレーキすら圧倒的に凌ぐ性能のシステムだったりする。
スバルのアイサイトにこそ届かないが、国産車の平均値を超える性能を持っており、事故回避性能は非常に高い。停止している車両に対して車速50km/hで接近しても停車出来る能力を有す。30km/hまでなら歩行者まで対応しているから素晴らしい。新型ソリオ買うなら必ず装備することをすすめておく。
唯一の「う~ん」が価格。自動ブレーキ付きで最も安い『ハイブリッドMX』は175万5000円。ただ200万円以下の車種で新型ソリオに匹敵する自動ブレーキを装備できる車種は存在しない。今や安全ってプライスレス。といった点からすれば優れた燃費を含め、なかなか魅力的かもしれません。
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