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行政書士試験「行政法」で合格点を取る方法

行政書士試験の主要科目である「行政法」の過去問を分析しながら、合格点をとる方法を全般的にご紹介します。

山本 直哉

執筆者:山本 直哉

行政書士ガイド

過去問を分析して出題傾向を探りましょう

行政書士試験の「行政法」の出題科目は、通則、行政手続法行政不服審査法行政事件訴訟法国家賠償法地方自治法にわけることができます。過去5年間の択一式の出題を分析して出題傾向を探ると、それぞれに特徴があります。出題傾向からそれぞれの法律の試験対策を考えて、行政法で合格点をとる方法を考えます。


行政手続法の出題傾向

・毎年3問出題。
・条文からの出題が中心。多少の傾向はありますが全般的に出題されます。
・判例からの出題は、平成25年問題13、平成24年問題13。

行政手続法の対策

出題傾向で示したように、条文からの出題が中心であり、過去問を解きながら条文の勉強をしっかりしてください。テキストばかりに目を奪われて、条文自体の勉強をおろそかにする人がいますが、合格者は普段から、また、仕上げとして条文の素読を行っています。条文の素読もしっかりとしましょう。

行政手続法における受験生の弱点は、「適用除外」と「用語定義」です。適用除外は暗記事項が多く「捨て問」にする人もいます。しかし、新試験になってから複数回の出題があり(平成19年、平成20年)、捨て問にしてはいけません。

確かに適用除外の暗記は苦痛ですが、出題されそうな適用除外を見極めて、適用除外は「キーワード」や「語呂合わせ」を使って覚えましょう。ただ暗記するのではなく、暗記量を減らす努力が必要です。

用語定義も頻出事項です。用語定義は他の暗記事項と比べて、より正確な暗記が必要とされることもありますが、暗記が不十分な人が目立ちます。用語定義は記述の出題も否定できないので注意が必要です。用語定義の暗記のポイントは、一気に覚えようとするのではなく、意味のまとまりで区切りながら、覚えていくことです。

なお、平成27年度試験の注意点は直近の改正です。出題可能性が高いので、是非、確認してください。改正の詳細は総務省のHPをご覧ください。


行政不服審査法の出題傾向

・毎年2問出題。
・条文からの出題が中心。行政事件訴訟法との比較が出題されやすい傾向にあります(平成26年問題14、平成25年問題14、平成24年問題15選択肢5、平成22年問題15選択肢5)。
・判例からの出題は、平成26年問題14選択肢3・4、平成23年問題15。

行政不服審査法の対策

基本的には行政手続法と同じです。過去問をしっかりと解いて条文の勉強をしっかりとしてください。行政不服審査法は複雑な条文が少なく、理解しやすいと思います。

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行政法の択一を得意科目にすることが合格への何よりの近道です

出題傾向にも示したように、行政事件訴訟法との比較の視点で出題される傾向があります。行政不服審査法は行政事件訴訟法を意識して勉強する必要があります。

テキストに行政不服審査法と行政事件訴訟法を比較する図表が掲載されることも多いのですが、その図表で簡単に済ませてしまうのではなく、行政不服審査法と行政事件訴訟法の条文をしっかりと確認してください。図表は覚えていたけれど、条文の言葉で聞かれたからわかりませんでしたという受験生もときどきいらっしゃいます。出題されるのは図表ではありません。条文の文言です。


行政事件訴訟法の出題傾向

・毎年3問出題。
・条文からの出題が中心。多少の傾向はありますが全般的に出題されます。
・判例からの出題は、平成26年問題17問題18、平成24年問題18、平成22年問題16選択肢エ。

行政事件訴訟法の対策

行政事件訴訟法も他の法律と同様に過去問を通じて条文をしっかりと勉強することが対策です。行政事件訴訟法は、司法試験の行政法の主要科目であり、判例から多くの出題がされています。司法試験の影響を受けて、今後、行政書士試験も行政事件訴訟法は判例からの出題の比重が高まる可能性があります。奇しくも平成26年は判例から2問出題されました。

そこで条文だけの勉強に終わらせることなく、また、判例を重視するあまり条文を軽視することなく、条文と判例の「バランスのとれた勉強」を心がけてください。

受験生の弱点として「訴訟要件の暗記不足」があげられます。確かに行政事件訴訟法には10種類以上の訴訟が規定されており、暗記することは大変かもしれません。訴訟の性質を考えグループ分けたり、訴訟ごとの訴訟要件を比べるなど、暗記するポイントは視点をもつなど考えて暗記することです。比較の視点で暗記すると、格段に覚えやすくなります。

次のページでは、国家賠償法、地方自治法、通則・その他を扱います。

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