国家賠償法の出題傾向

・毎年2問出題。なお、平成26年は1問出題。
・判例からの出題が中心。平成26年問題19、平成25年問題20問題19選択肢1・3、平成24年問題19問題20、平成23年問題20、平成22年問題19選択肢2問題20。
・条文からの出題は、民法との適用関係(平成25年問題19)、民法717条との相違点(平成23年問題19選択肢1)、行政事件訴訟法との関係(平成22年問題19)のように、他の法律との関係が出題されやすい傾向にあります。

国家賠償法の対策

出題傾向で明らかにしたように「判例中心の勉強」になります。理由は条文が6条しかないからです。条文の勉強と判例の勉強を比べると、判例の勉強を苦手とする人がほとんどです。判例の勉強は、条文の勉強と違って範囲が明確でなく、どの判例を勉強すればいいかわからないからだと思います。そこで判例の出題をより詳細に調べてみました。

過去五年間分の判例からの出題を選択肢ベースでカウントすると、30選択肢になります(平成24年問題19の判例評釈問題は5つの選択肢としてカウントしています)。そのうち百選掲載判例(有斐閣『判例百選行政法1』『判例百選行政法2』)からの出題は24選択肢でした。つまり、8割が百選掲載判例から出題されたことになります。なお、複数回出題された判例が2つあり、過去5年間で18個の判例が出題されています。このように、他の国家試験同様、行政書士試験においても出題判例の範囲は百選がひとつの基準になっていると思います。

今後の対策ですが、基本的な判例を押さえるのは当然として、同一の判例はあまり出題されていませんので、まだ出題されていない百選掲載の判例に注意する必要があると言えます。もっとも、200以上も掲載されている判例百選から、判例を取捨選択することや、掲載判例の勉強内容について受験生が判断することは難しいので、判例対策は予備校や学者の書いた基本書を頼りにするほうが効率的です。

また、忘れがちですが、条文問題もしっかりと出題されている点に注意が必要です。6条しかないため分析で示したように、条文問題は他の法律との関係が出題されやすいのです。国家賠償法の条文を勉強する際は、他の法律との関係を意識的にする必要があります。


地方自治法の出題傾向

・毎年3問出題。なお、平成22年は4問出題。
・条文の出題が中心。出題傾向に偏りがあります。例えば、242条の2第1項は、平成26年問題22選択肢1、平成25年問題21選択肢1・3・5、平成23年問題21選択肢イ・ウ・オ、平成22年問題24選択肢ア・イ・オのようにほぼ毎年出題されています。
・判例からの出題は、平成25年問題24選択肢3・4・5、平成24年問題21年選択肢4、平成22年問題21の選択肢3。

地方自治法の対策

条文中心の出題ですので、過去問を通じて条文を勉強してください。地方自治法は条文数が多く、手続きを定める細かな条文もあり、暗記が大変です。受験生泣かせの法律です。ただ、出題傾向で示したように、他の行政法の法律と違って出題される条文にかなり偏りがあります。

過去問をよく検討して、出題される条文やその関連条文を押さえていくことで、勉強の効率をあげられます。なお、地方自治法は法改正が頻繁で、改正点を絡めた出題がされることがあるので(例えば平成25年問題23選択肢1など)ご注意ください。

受験生の弱点はずばり勉強不足です。地方自治法は、カリキュラム上、最後に勉強する法律科目です。そのため勉強が不十分な人が目立ちます。2回目の受験で合格した人に1年目とどのような違いがあったかと聞くと、地方自治法まで手が回り、「地方自治法の勉強がしっかりとできた」ということを耳にします。合格するためには落とせない科目です。


通則・その他の出題傾向

残りの出題が通則・総合と言えます。条文が存在しない分野もあり、判例の出題割合が高いのが特徴です。受験生が苦しむ分野です。

通則・その他の対策

非常に広範囲で絞りにくい分野です。明確な条文が存在しない分野もあり、広げていくときりがありません。ここは多少の失点を覚悟しても範囲を限定して勉強効率をあげるべきです。過去問そしてプラスα程度に抑えるべきです。

最後まで不得意という感覚が抜けないのが通則・その他の傾向ですが、それは毎年の合格者も同じですので、やることをしっかりとやっていれば、気にすることはありません。


まとめ

行政法は過去問をしっかりと勉強すれば実力がついていきます。勉強すればするほど報われる科目です。行政法をしっかりと得意科目にできるかどうかで合否が決まるといっても過言ではありません。この記事が行政法を勉強する何かのきっかけになれば幸いです。

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