高層マンションでの子育てに警鐘
高層マンションでの子育ては転落のリスクが高いと肝に銘じたい
この10~15年で、日本の「一般住宅」の様相が変わりました。駅前再開発がいたるところで進み、都心あるいは郊外のブランドエリアで中高層マンションが次々と地面から伸び、その間を子育て中のパパママがベビーカーを押して歩いています。高層マンションの出始めの頃は、高層階からの転落事故の可能性はもちろん指摘され、「高層階で子育てをすると、その物理的な面倒から地上に降りるモチベーションが低くなり、親子で引きこもりやすくなる」といった子育て上の心理的悪影響が話題となることもありました。
しかしマンション供給のスピードの方が早く、また夫婦が子どもを持つ前から住んでいた部屋でそのまま継続して子育てをするケースも多く、中高層マンションでの子育てはいまや普通の光景。中高層マンションと商業施設とが駅と直結し、通勤や買い物至便、駅ナカ施設にはクリニックや保育施設も完備されるといった、現代のライフスタイルのためのフルパッケージや、キッズルームとして使えることを謳った多目的ルームや視聴覚ホール、内科小児科クリニックなどを併設する物件もたくさん供給されており、子育てをする環境として選択する子育て層が多いのもうなずけます。
超高層階よりも中高層階からの転落が多い
胸の痛む話ですが、そんなマンションの中高層階から、幼い子どもが転落する事故が相次いでいます。いっそ20階や30階超といったタワーマンションの超高層階であれば、転落事故を防止するために窓がフィックスになっているので転落のしようがないのです。でも子どもの転落事故が起きてしまうのは、窓が開きベランダに出ることが可能な中高層階。最近報道された転落事故は10~15階で起こっているものが多くありますが、場合によっては5、6階でも大きな事故に繋がることがあります。
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