筋肉は「横紋筋」と「平滑筋」の2種類に分けられる
人の筋肉は、主に自分の意志で動かすことのできる横紋筋(おうもんきん)と、意志とは関係なく動く平滑筋(へいかつきん)に分類されます。横に縞状になっている横紋筋と平坦で縞模様になっていない平滑筋は、形の違いで区別されています。“主に自分の意思で”と書いたのは、例外があるからです。実は心臓は、形のうえでは横紋筋に分類されますが、意志とは関係なく動く特殊な部位です。そのため心筋(しんきん)と呼び区別することがあります。
主に私たちがトレーニングで鍛えることができるのは、意識的にコントロールできない平滑筋や心臓のような筋肉ではなく、骨格筋(こっかくきん)と呼ばれる骨に付着している横紋筋です。運動能力を増すためにはこの骨格筋を鍛える必要があります。
筋肉はなぜ増えるのか?
負荷をかけた部位に筋肉がついたり、使わないと減ったりするのはなぜでしょうか?
筋肉の細胞を増やすためには、単純に増やしたい部位の筋肉を動かせば良いでしょう。ただし、後に説明しますが、トレーニングのやり方次第では筋肉が思ったように増えないことがあります。
骨格筋は第2の心臓とも言われ、筋肉が伸びたり縮んだりすることで、血液のめぐりを良くしてくれます。全身の血行がよくなることで、全身に酸素と栄養が行き渡り、体内の老廃物を排除しやすくなって、身体のいい状態を保つことができます。筋肉が縮んだ状態で固まっていると血行が悪くなり、肩こりなどの原因になります。適度な運動と筋肉が体にとって必要です。
ボディビルダーになるつもりはなくても、適度に健康的な筋肉トレーニングはしておきたいものです。
健康的な筋肉トレーニングとは?
健康的な筋肉トレーニングのためには、当たり前ですが無理をしないことが重要です。急に激しい運動を行ったり、過重な重量を負荷したりしないようにしましょう。筋肉が十分についていない状況では、関節などを傷める可能性があります。また、トレーニングの目的をもつことも大切です。趣味のスポーツの技術向上のためなのか、ある程度の足腰を将来のために鍛えておくのか、目的がないと長続きしませんし、途中で挫折すれば、せっかくついた筋肉も減ってしまうことになります。
筋肉トレーニングを始めて間もなくの時期は、翌日以降に筋肉痛を起こすことがあります。これは筋肉線維が破壊されているためです。修復することでより丈夫になっていきますが、破壊されたままさらに運動すると、さらに破壊されてしまうことになります。そのため、筋肉トレーニングには2~3日程度の間隔を空けて行った方がよいでしょう。
運動でも筋肉トレーニングでも、事前にストレッチやウォーミングアップをして、身体を温めておきましょう。
持続可能な運動をしましょう
筋肉の栄養であるアミノ酸、いわゆるプロテインは筋肉の成長に必要ですから、筋肉トレーニングの有無に関わらず補充しましょう。
エネルギーになる炭水化物も細胞の膜になる脂肪も、ある程度は必要ですので、やはりタンパク質のみを摂取するのではなく、バランスのよい食事が望まれます。
筋肉が修復される必要がありますので、睡眠も十分にとる必要があります。睡眠前の筋肉トレーニングは、寝つきを悪くしますので、避けた方がよいでしょう。
将来に必要な筋肉は、正しい姿勢を保つことです。正しい姿勢は歩行にとっても重要になります。高齢になってもしっかりと歩くことができる最低限の筋肉をつけておきたいものです。
その意味で、腹筋・背筋・腰の筋肉・足の筋肉は重要と言えます。もちろん、手を使うことで脳の活性化になりますので、こちらも忘れてはいけません。
普段の歩行や散歩、軽いジョギング、関節の負担の少ない水泳などを週に2-3回程度日課として、規則正しくバランスのとれた食事を摂り、十分に休息することで、筋肉の衰えを防ぐことができるでしょう。