劇場にチーム4旋風再び?
あの「前田敦子卒業」の2012年から3年に続いて開催された、夏のAKB48グループドーム公演。しかし今年2015年はドーム公演は行われず、2日間のさいたまスーパーアリーナ公演に取って変わられた。これを見てAKB48に批判的な向きは「ついにAKB48も凋落か」と言うだろう。とは言え無料公演の「AKB48グループ対抗大運動会」は東京ドームで行われたし、SKE48松井玲奈卒業公演も収容人員4万人を超える豊田スタジアムで行われたので、「ドーム級公演は継続している」と言えないことはない。しかし、やはり都内で大規模なドーム級ライブがないのは印象的にやや弱い。
そんな中でもこの夏は、これからのAKB48に向けての萌芽が各所で見られた。あらためてこの夏のAKB48グループを振り返りたい。
見どころの多かった新チーム4
グループの中でも中心であるAKB48の今後を占う意味でも大きいライブが「お台場夢大陸『真夏のハロウィンライブ』」でのチームA・K・B・4の新体制初ライブです。3月のさいたまスーパーアリーナ公演で発表された「春の人事異動」、これが反映されたチームでのお披露目公演となったのがお台場でのライブ。全チーム見られなかった当ガイドが全容を語るのは無理がありますが、唯一見た新生チーム4(高橋朱里キャプテン)は非常に印象深いライブでした。
新チーム4としてのトピックとして大きいのが14期生のエース候補3人、通称「三銃士(小嶋真子・岡田奈々・西野未姫)」の復活。第一次峯岸チーム4時代に「AKB48の希望」と呼ばれたものの、2014年2月に行われたグループ全チームにわたる人事移動「大組閣」で小嶋はチームKへ、岡田・西野はチーム4に残留と解体されたことは、ファンから多くのブーイングを浴びた大組閣の中でも大きな不満に挙げられた人事でした。
それが今回の高橋朱里率いる新生チーム4で復活。チーム4初のオリジナル曲『清純フィロソフィー』で中央に3人が並ぶ姿は感慨深いファンも多かったよう。しかし今回のチーム4では、そんな三銃士に競り合うように川本紗矢、村山彩希の2人が存在感を主張していました。
まるで「三銃士なんて思い出にすがってたら、私達が追い抜いちゃうよ」と言わんばかりのパフォーマンス。ある意味、今回のチーム4の中で三銃士が将棋でいう王将のようにどっしり構えた有力メンバーとしているからこそ、川本・村山が最強の飛車と角として動きまくる絵はかなり頼もしく見れました。
また、この日のラスト『ハロウィンナイト』のセンターは意外にも岩立沙穂。ただ、その光景は「なぜ小嶋ではないのか」という疑問よりも「あ、ここは誰がセンターにいても面白いな」という期待を持たせるに足るものでした。
この日のライブでも前面に立つことが増えた込山榛香や、もちろんキャプテンの高橋朱里だっていい。峯岸チーム4以来の伝統ともいえるフレッシュな期待感は、今回の高橋チーム4に持っても宿っているようです。
かつて劇場に吹いたチーム4旋風が再び吹き荒れることを期待したいですね。