最近、なんだか歌舞伎ってわかりやすくなってない? そんなウワサ聞きませんか?

実は、幅広いファンに向け、児童書、アニメ、映画などの原作をもとにした新作が現れています。そのほかにも、もっと気軽に歌舞伎を楽しんでもらおうという動きは広がっているように思います。今回はそんな「今の歌舞伎の流れ」をご紹介いたします。


アニメ原作や児童書が歌舞伎化

2015年の2月には、なんと『スターウォーズ』をモチーフにした新作歌舞伎「地球投五郎宇宙荒事」が六本木歌舞伎にて上演されました(出演 市川海老蔵、中村獅童出演)。8月には、名古屋・大阪でも上演されています。

9月3日~26日には京都四條南座「九月花形歌舞伎」で、新作歌舞伎「あらしのよるに」が上演されます。(出演 中村獅童他)

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10月に上演されるワンピースのチラシ

10・11月には、新橋演舞場で~スーパー歌舞伎2(セカンド)「ワンピース」が上演されます。(出演 市川猿之助他)

「あらしのよるに」は、きむらゆういち原作の児童書で、本来は敵同士のオオカミとヤギが嵐の夜、真っ暗な山小屋でお互いの正体をわからぬまま時を過ごすうちに、次第に打ち解けてきて……というおはなしです。

中村獅童は、「あらしのよるに」の世界を歌舞伎として上演するにあたり、『義経千本桜』「四の切」の狐忠信を引き合いに出し、「歌舞伎では、人間が狐を演じることもある」として「子が親を慕う気持ちのように、友情といった普遍的なテーマがあれば、絵本の世界も歌舞伎に通じるエンタテインメントの世界だと思います」と語っています。

2003年に『あらしのよるに』の読み聞かせ番組へ出演をしたのが、作品との出会い。それからずっとこの作品を歌舞伎化できないか、と考えていたと言い「長年の夢がかないました。見て楽しく、感動できる作品になればと思います。幅広い世代の方に楽しんでいただきたい」と、作品の記者会見で語っています。

わかりやすい歌舞伎の流れは、作品だけにとどまりません。

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大道具に触れたり、乗ったり、できる歌舞伎座ギャラリーの展示

歌舞伎座ギャラリーの展示では、従来の「展示されているものを観る」手法のものが次第に、「体験する、触れる、その世界に入っていける」といった体験型展示に変化しています。

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テレビ番組では、歌舞伎の上演作品を放映するだけではありません。2015年8月よりNHKのBSプレミアムで始まった「KABUKI KOOL」は、2014年に海外向けに放送した「KABUKI KOOL」の中から厳選された8回をピックアップして日本語で放映しています。

もともと海外向けでもあり、テーマに沿ってコンパクトにまとまっていて、非常にわかりやすくおすすめです。

■「KABUKI KOOL」NHK BSプレミアム放送日時
8月22日(土)午前6:00~6:29
「市川染五郎とKABUKIを楽しむ」
8月29日(土)午前6:00~6:28
「男が演じる女方の美」
9月5日(土)午前6:00~6:28
「KABUKIの原点は正義の味方」
9月12日(土)午前6:00~6:28
「仮名手本忠臣蔵」
9月19日(土)午前6:00~6:28
「日本のシェークスピア・近松門左衛門」
9月26日(土)午前6:00~6:28
「KABUKIならではの小道具」
10月3日(土)午前6:00~6:29
「かぶいて踊れ! KABUKI舞踊」

※放送はすべて、NHK BSプレミアム

NHK WORLD「KABUKI KOOL」番組公式サイトはこちら

なぜ今こういった「わかりやすい歌舞伎」の動きがあるのでしょうか。次のページで考察してみましょう