ピラティスとは

ピラティスエクササイズの図

 

ピラティスは創始者個人の名前になります。大元はジョゼフ・ピラティス氏が開発した、健康のための養生訓です。

ピラティス氏の言及は多岐にわたり、入浴法や陽の当たり方までありますが、その中で身体的エクササイズに注目した「コントロロジー(ピラティス氏の造語でコントロールする学問の意)」の要素を現代に引き継いだものが、現在トレーニングとして提供されているピラティスです。現在は一般名詞として使用されるようになりました。

彼はドイツで生まれました。幼少期は病弱で、弱いからこそ健康的な体や心に憧れを持っていたのだと推測されます。その後成長するとともに、体操やボクシング、ヨガなどをマスターし、多くの実践の中から人間の体の本質とは何かということを感性で見つけ出したのだと思います。それが表れているのが、次に解説するピラティスの基本原則です。

ピラティスの基本原則

基本原則の中で重要なものを幾つかご紹介します。

まずは「軸の伸長」です。体を重力に対して伸ばすという原則になります。子どもですら無意識に天に向かって体を起こしていますね。ヒトの特徴が直立二足歩行ですから、直立の原則といってもいいでしょう。

次に、ピラティスの代名詞として使われている「コア」という原則です。体の中心、芯という意味で、外側を鍛えて固めるよりも内側を鍛えて外を柔らかく使う方がしなやかに動けるという原則です。

そして、特徴的なのは「背骨の分節的な動き」です。24個ある背骨をまるで蛇のように柔らかく、一つ一つをしっかりと動かしていくという原則です。多くの体の問題が、背骨の柔軟性の欠如、特に胸椎が硬くなることだということを見抜いていたのだと思います。

彼の見つけたこれらの基本原則は、現代の医学の視点からも注目され、欧米などでは医療施設でのリハビリテーションの一つの治療技術としても認められるようになっています。ピラティスは、フィットネスから医療分野、そしてダンスなどの芸術の分野と幅広く受け入れられ、人間のあるべき姿を教えてくれています。

始まりはピラティス氏個人でしたが、今ではそのコンセプトが個人を超えて普遍的な価値として認められているのです。

ピラティスとヨガの違い

ピラティスとヨガは良く似た者同士というような感じで扱われますが、その違いとは何でしょうか?両方の国際的な資格を有する私が解説します。

そもそもの違いは歴史です。ピラティスは約100年。ヨガは数千年です。圧倒的にヨガの歴史の方が古いです。

次に、コンセプトですが、ピラティスは健康法として、しなやかな体と心を作ること。ヨガは幸せとは何か?生きるとは何か?という人間の根源的問いに対して、実践を通して悟りを得るということが目的です。ですので、コンセプトは人生を哲学するようなものです。

実践方法も大きく異なります。ピラティスではエクササイズが主です。比べてヨガは道徳、姿勢法、呼吸法、瞑想法、読経と実践方法だけでも多岐に渡ります。また、ヨガの道徳や読経の部分は、ヒンズー教の文化を色濃く残したものです。もちろん哲学としても表現されますが、やはり土着信仰としての側面なしにヨガは語れないでしょう。

このように、ピラティスとヨガは全然違うものですが、私は両方行っています。それは、ともに体を対象としているところは共通だからです。ピラティスは、体の使い方を学ぶにはとてもよく体系立てられています。ヨガは、やはり心の状態にとてもよく作用します。自分を見つめ、物事を客観的に捉えられるようになります。もちろん体も柔軟になります。皆様にも、両方の良いところをご自身のライフスタイルに取り入れてもらえたら嬉しいです。

ピラティスに期待される効果

ピラティス機器undefinedリフォーマーの図

ピラティス機器 リフォーマー

ピラティスは今流行りのファンクショナルトレーニングの先駆けです。

今までの特定の筋肉を鍛える筋力トレーニングとは違い、体の芯を安定させて、体の中心から手足を連動させながら「滑らかな動き」を獲得することを目的とするエクササイズです。ですから、筋力という視点だけでは測ることのできない多くの効果があります。

ピラティスに期待される効果として、まずは姿勢改善があります。
私たちは常に重力に押し潰されています。電車で眠くなった方を見ると分かりますが、体は丸く、頭は前に倒れます。重力に負けている状態です。しかし、覚醒しているときは、無意識にこの見えない重力に逆らって体を起こしているのです。この時に使われている筋肉を「抗重力筋」と言います。ピラティスではこの筋肉を活性化するため、姿勢がとても綺麗になります。

次に、しなやかさ
ピラティスはダンサーのための調整法として発展してきた経緯があります。そのため、筋骨隆々というよりも、滑らかに、しなやかに動ける体をメイクするエクササイズになっています。しなやかさには、筋力と柔軟性の両立が必要です。力を発揮しながらも柔軟に動けるという一見相反したことをしなければはなりません。そのためには少し複雑な筋の収縮様式も出来なければなりません。ピラティスでは、様々な姿勢や環境を設定することで、日常では中々使い切れない、体の使い方を学習することができます。普段から、ダンサーのようなしなやかな動きができたら素敵ですね。

また今見てきたように、姿勢が良くなり動きがしなやかになるとどのような心の状態になるでしょうか?まさにダンサーの表情に現れているような、自信と優しさ、そして躍動感を感じませんか。こころは体ととても密接に関係しています。ピラティスで躍動感のある精神状態も得ることができるのです。

ピラティスには大きく機械を使うものとマットで行うものがあります。身近にピラティススタジオも増えてきているかもしれません。体の調整法として、ポストリハビリとしての役割はさらに高まると思います。ぜひ、お近くのスタジオで体験してみて下さい。


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