自由きままな動物と表現されることが多い猫。時間や約束、ルールに縛られることが多い人間からすると、そんな猫の姿がとてもうらやましく思える時がありませんか。

柔らかな肢体を持つ猫は、シルエットだけでも人を虜にします。宇宙をも感じさせる変幻自在な瞳。心をとろけさせてしまう甘え声や喉ならし。シルクよりも、ビロードよりも手触りのよい毛皮。

いま、この美しい魅力的な生きものと暮らしているあなたは、その猫の魅力を120%引き出すことができていますか?

あなたは果たして、同居する猫を喜ばせることができているでしょうか?

今回は、猫が最も猫らしく魅力的に生きられる生活を考えたいと思います。

猫の本質

そもそも猫とは、単独で狩りをする肉食動物です。イエネコとして、長く人と暮らし、自分でエサを狩る必要がなくなっても、猫の生活のほとんどは狩りの予行演習で成り立っています。

母親が子猫を育てる時に教えるのも狩りの練習。もし、生まれた直後に母親と離され単独で成長しても、狩りをまねた遊びをします。それは何世代も室内飼いされてきた両親猫から生まれた、親も子も一度も地面の上を歩いたことがない猫でも持ち合わせている、猫のDNAに深く深く刻み込められた、猫が猫たる所以の証明なのです。
寝てるふりして聴いてます

寝てるふりして聴いてます


猫の本能を刺激した生活

「猫を猫らしく生活させる」とはどんなことでしょうか?
朝晩、何の苦労もなくご飯が食べられて、雨に打たれることも、寒さ暑さもそれなりにしのげて……確かに、とても幸せで穏やかなにゃん生です。でも、もし、もう一歩、そこに猫らしさをプラスしてあげられるとしたら?

おもちゃ遊びも爪研ぎも上下運動も、狩猟動物の猫の五感を刺激する猫本来の行動に基づいた生活です。まずは、それらが整った環境を作りましょう。

猫が好む環境として整えたいものは、上下運動ができて周りを見下ろすことができる高い場所。高いところに登れて爪も研げるキャットツリーは猫にとってお気に入りの場所になるはずですが、それも猫の本能を一番刺激する場所になければ、宝の持ち腐れです。

猫はあたりを一望できる高い場所に陣取り、獲物の動向を観察します。すなわちキャットツリーを置くのなら、部屋の中と屋外が見下ろせる窓際がベスト。猫は日向ぼっこも大好きですから、日当たりがよければいうことはありません。
あそぼーとおねだり

あそぼーとおねだり


猫を観察して、一番好きな遊び方を探る

一緒に暮らしている猫が喜ぶこと、驚くこと、好奇心を持つことはどんなことか、猫を観察して探ってみましょう。

猫は、どんなおもちゃが好きで、そのおもちゃをどういう風に動かすとき、一番エキサイトするでしょう。猫によっては、羽、ヒモ、毛皮、紙、キラキラなど好むものが違います。遊び方もジャンプが得意だったり、地面をちょろちょろ這うものを追いかけるのが好きだったり、物陰から少しだけ動くものに一番反応したりと好みが分かれます。

猫のおもちゃ遊びは疑似狩り。愛猫の好みをしっかり見極めて、毎日好む遊び方で相手をしてあげる、これも猫の欲求を満たすことになります。
おもちゃ遊びで獲物を狙ってる気分

おもちゃ遊びで獲物を狙ってる気分


狩りをして食事にありつく

猫が猫らしく生活するためには生活の中に狩りの要素を取り入れるのが一番刺激的です。「狩りをして食事にありつく」とは言っても、家の中にネズミを放して猫に追っかけさせるのは漫画の世界の話。でも、工夫次第で猫の五感を刺激して、自分自身で獲物(ご飯)を狩るという生きがいを持たせることができます。

猫が狩りをした気分になってご飯を食べられる工夫として

・ドライフードを小分けして、部屋の中3~4カ所に置き、猫が自分でご飯をみつけて食べられる

・ペットボトルに小さな穴を開け、猫がボトルを転がすとキャットフードが数粒こぼれて食べられる

・深さが5cm程度の段ボール箱の上側に直系3cm程度の穴を4つほど開けて、中にドライフードを入れて、猫がすくって食べられるようにする

といった方法はいかがでしょう。
捕まえた!捕まった!狩り遊び

捕まえた!捕まった!狩り遊び


母親代わりに甘えさせる

猫が可愛くてたまらない。猫を愛している。猫を喜ばせたい。だから、猫が甘えてきたら咽や耳の後ろを撫でて、「いい子だね」と声をかける。猫は喜びます。それは猫にとって気持ちの良いことだからです。これも猫とのコミュニケーションを深める大事な儀式のひとつです。

猫と同居人の関係は時々立場が逆転する親子関係。なので、甘えられる相手がいることは猫の情緒面を満足させます。


猫が本来持っている猫らしさを刺激することで、あなたはまた違った猫の一面を見ることができるかもしれません。猫も本能を刺激されて若返ったり、健康に過ごせるかも知れません。


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。