現代の悪魔?映画史上最も嫌なヤツ!
『ナイトクローラー』(2014年度作品)
ロサンゼルスでコソ泥をしながら暮らすルイス(ジェイク・ギレンホール)は、事故現場で撮影した映像をテレビ局に売るフリーランスのカメラマン、通称“ナイトクローラー”の存在を知り興味を抱きます。その世界に飛び込んだ彼は、過激さを求めて常軌を逸した行動をとるように……。
そもそもファーストシーンから、コソ泥するわ、暴力をふるうわで、もともとモラルなんて持ち合わせていないルイスという男。ある意味、ナイトクローラー業は向いていたのかもしれません。けど、どんどん過激化する行動の数々は、まさに一線を越える瞬間を見るようで、ずっと胸の奥がザワザワしてしっぱなし。人の家に勝手に入る、死体に近づくなど、同業者やテレビ局のスタッフにも「アイツはヤバイ」と言われてしまいますからね。
でも失業率が高く、格差が激しい世界で生きるには、これくらいハードなことをしていかないと生きていけなかったのかもしれません。ただ欲望が肥大し過ぎて間違った方へと走り出してしまった……。
この映画の凄いところは後半、ルイスという怪物がたどる道です。ネタバレになるから伏せますが、これまた見ていて「嫌なヤツってしぶとい!」としみじみ思いますよ。
監督:ダン・ギルロイ 出演:ジェイク・ギレンホール、レネ・ルッソ、リズ・アーメッド、ビル・パクストンほか
2015年8月22日より公開
(c) 2013 BOLD FILMS PRODUCITONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
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