ひょうたん形のかわいいヤツ!「カチョカヴァッロ・シラーノ」

南イタリア一帯で作られている、ひょうたん形の「カチョカヴァッロ・シラーノ」。一度見たら忘れないユニークな形が特徴ですが、モッツァレッラやプロヴォローネと同じ、パスタ・フィラータタイプ(※)です。火を通す事で本領を発揮するので、とろけてより美味しく、いろんな食べ方を楽しめます。

カチョカヴァッロは、味や香りにクセが無く、日本人の食生活にも取り入れやすいチーズです。また、カチョカヴァッロと名の付くチーズ、同じようなチーズは他にもたくさんありますが、今回は、DOP(原産地名称保護)の法律で製法や産地が守られた、伝統的な「カチョカヴァッロ・シラーノ」についてご紹介します。

(※)パスタ・フィラータタイプとは、製造時にカード(凝乳)を湯の中で練り、繊維状の組織を作って成形するチーズ。手で裂ける生地と、焼くと良く伸びるのが特徴。モッツァレッラチーズがその代表格。
カチョカヴァッロ・シラーノ(写真協力:株式会社フェルミエ)

カチョカヴァッロ・シラーノ。ひょうたんの様な形が印象的。(写真協力:株式会社フェルミエ)


基本データ

  • 名称:カチョカヴァッロ・シラーノ(Caciocavallo Silano)
  • タイプ:パスタ・フィラータタイプ
  • 原産地:イタリア、バジリカータ州、カンパーニャ州、モリーゼ州、プーリア州各州の全域と、カラーブリア州の一部
  • 原料乳:牛乳(殺菌または無殺菌乳)
  • 熟成期間:最低15日~2年
  • 固形分中脂肪分:最低38%
  • 大きさ・形・重さ:直径8~10cm、高さ25~30cm、重さ1.5~2.5kgのひょうたん形
  • 旬:通年
  • DOP(原産地名称保護)取得年:1993年
  • その他:プレーンタイプの「ビアンコ(bianco)」と、スモークタイプの「アッフミカータ(Affumicata)」があります


歴史・名前の由来

なんと、紀元前5世紀頃の文献に登場するカチョカヴァッロ。とても歴史の古いチーズで、現在は南イタリアを中心に作られています。また、トルコやブルガリア等、バルカン半島の国々では、このカチョカヴァッロと同様のチーズが昔から現在に至るまで一般的に作られています。

Caciocavallo Silanoは、直訳すると「シーラの馬のチーズ」。"cacio"はチーズ、"cavallo"は馬を意味しています。その由来には諸説ありますが、有力なのは、カチョカヴァッロを熟成させる時、2個一組を紐でつなぎ、木の棒にかけて吊るすその姿が、馬にまたがっているようだったから、というもの。
ちなみに"silano"は地名で、主産地のひとつであり現在は国立公園にも指定されているカラブリア州の山地、シーラ(sila)からきています。
ところで、このチーズの表面には"Caciocavallo Silano"の文字とともに針葉樹の絵が焼印されていますが、これはシーラの森に多く生えているカラマツをイメージしたものだそうです。


製法

次は、簡単に作り方をご紹介します。
パスタフィラータタイプのチーズなので、成形するまではモッツァレラとほぼ同様です。
  1. ミルクを温め、レンネット(凝乳酵素)を加えてミルクを固める。
  2. 固まったミルクをかき混ぜて崩し、ホエー(乳清)とカード(凝乳)に分ける。
  3. カードの塊を細長くカットしてボウルか桶に入れ、熱湯または温めたホエーを加える。
  4. カードを木べらで混ぜ、ひとまとまりになったら伸ばすようにしながら練る。
  5. カードがツヤツヤとして滑らかになったら、表面を張らせるようにして、ひょうたん形に整える。表面はつややかな仕上がり。
  6. ひょうたん形のくびれた部分を縄で結び、塩水の中に暫らく漬ける。
  7. 2個ひと組にして木の棒にかけて吊るし、熟成させてできあがり。
※スモークタイプのアッフミカートは、この後スモークして仕上げます。

カチカヴァッロ・シラーノ・アッフミカート。スモークした分、色も濃くなる。

カチカヴァッロ・シラーノ・アッフミカート。スモークした分、色も濃くなる。(写真協力:株式会社フェルミエ)


 

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