幅が広がったセカンド・アルバム
ガイド：2枚目となる『Buen Soldado（グッド・ソルジャー）』（2011年）では、デビュー作よりもオルタナ的な部分も出てきて、個人的には好きな方向性。「Que seria」などを聴いていると、ハビエラちゃんのノスタルジアな世界観に通じるものを感じます。
Buen Soldado (amazon.co.jp)
Buen Soldado
Que seria (YouTube)
マツミ：
アルバムタイトル曲にもなっている「Buen Soldado」の妖しげなPVの中でも彼女からは優等生オーラをひしひしと感じます。そして「Esta Soy Yo」のPVとの落差です。こういったコミカルな一面も見せるとは驚きました。
Buen Soldado (YouTube)
Esta Soy Yo (YouTube)
ガイド：
ハビエラちゃんもヒゲを生やしたクリップがありましたね。
マツミ：
ハビエラちゃんといえば、フランシスカ嬢とはライブでたびたび共演しているようですね。YouTubeには2013年のライブ映像しか残っていませんでしたが、今年の7月にはスペインで2人のステージコラボもあったようです。
Francisca Valenzuela + Javiera Mena - Afortunada (YouTube)
エレクトロになったサード・アルバム
ガイド：2014年に発売された最新作『Tajo Abierto（露天掘り）』では、よりエレクトロに、より分厚いサウンドになっています。「Prenderemos Fuego al Cielo（天国に火をつける）」は、彼女のポップス志向にエレクトロなスパイスが施されて、個人的にアタリです。同時にデビュー作の素朴さが好きな人を考えると、冒険とも言えますが。
Tajo Abierto (amazon.co.jp)
Tajo Abierto
Prenderemos Fuego al Cielo (YouTube)
マツミ：
緩やかではありますが、方向性がどんどん変わっていますね。そしてやはり最新作のエレクトロな味付けが我々の好みの音に近いことは間違い無いようです。彼女についてはこの最新作に収録されている「Armadura（鎧）」という曲で知ったので、てっきりずっとこのような路線の人だと思っていましたが、以前の楽曲や最新作の他の楽曲を聴いてみると、最初に触れた経歴に違わず、オールマイティに何でもこなせる万能タイプであることがよく分かりました。
Armadura (YouTube)
ちなみに『Tajo Abierto』で唯一英語の歌として「Almost Superstars」がありますが、スペインでのプロモーション用として6月末にシングルカットされています。南米を飛び出してヨーロッパ、果ては世界を股にかける、まさにタイトルの如くスーパースターへの第一歩としてこの曲を選んだのでしょうか。
Almost Superstars (YouTube)
ガイド：
バンド編成でギターを弾くロックなイメージのフランシスカも魅力的です。
マツミ：
彼女は2枚目のアルバムまではFeria Musicというレーベルに所属していたようですが、2014年に入ってなんと元会社のFeria Mix（チリのタワレコ的な存在）が倒産しています。それに合わせてか、『Tajo Abierto』以降のリリースはすべて自身で設立したレーベルであるFRANtastic Recordsからとなっています。完全にインディペンデントな方が、彼女の才能と手腕が活きそうで、今後の活躍に期待が持てます。
ガイド：
僕たちが偏っているだけかもしれませんが、ここまで、3人の女性シンガーと、チリは女性上位な感もあります。さて、チリにまだ隠れたタレントがいるのか、次回へ持ち越しましょう。
