食品としての有効性は、まだ明確ではない
こうした成分の機能性は、試験管や動物実験レベルの研究報告も多く、動物実験やヒト介入試験で有効性を支持する論文もあれば、同様に効果なしとする論文もあります。私たち人間が食品としてのニンニクやサプリメントをどれほどとれば有効なのかはまだまだ明確ではなく、今後の研究の蓄積が必要な段階です。公益財団法人 日本健康・栄養食品協会(所在地:東京都新宿区、下田智久理事長)は平成26年に「食品の機能性評価事業」の評価結果を発表しました。その評価対象の一つに「にんにく」がありました。
「にんにく」は血中コレステロールの正常化、降圧作用でいずれも「C」評価でした。というのは、「試験に用いた被験物の形態、有効成分などのばらつきが顕著だった」と報告され、にんにく卵黄、黒酢にんにく、黒にんにくなど、にんにくの形態が多種にわたっていたことが影響したとみられています。
ニンニクは、常識的に食べれば安全ですが、食べ過ぎると胃腸を刺激して痛めるおそれがあります。またワーファリンなどの薬との相性の悪い飲み合わせもあります。消化器系の炎症がある人も注意してください。
詳しくは、過去の記事をご参照ください。
「スタミナ食のニンニクで、暑さを乗り越えよう!」
調理や活用のポイント
ニンニクを上手に使って、食欲増進。暑さを元気に乗り切りましょう。
ニンニクは、1片の中心に細い芽があります。アクがあり、消化されにくく、炒めると焦げやすいので、調理するときは取り除いた方がよいでしょう。
フライパンを弱火にかけ油をひき、つぶしたり薄切りやみじん切りにしたニンニクをキツネ色になるまでじっくりと火を通します。焦げると苦味がでるので、香りがほどよくでたところで他の食材を加えて、手早く炒め味を整えます。
ガイドは、夏バテ気味の時には、ガスパチョやアーモンドスープなどのニンニクを使った冷たいスープを作ります。またニンニクの味噌漬けなども作っておくとお酒のおつまみにおいしいです。
ニンニクは、通気性のよいところにほしておくとよく持ちます。また冷凍保存も可能です。1片ずつ、あるいはすりおろして小分けにして冷凍保存しておくと便利です。
またニンニクは、1片を秋に球根として植えれば、鉢でも十分に育ちます。ガイドの経験では、小さな植木鉢で育てたため小さくなりましたが、ちゃんと1球になりました。収穫後は風通しの良いところに吊るすと、数カ月程度も日持ちがします。一度お試しになってみては。
参考/
・東北の農産物 にんにく(ol.8 27.3 東北農政局統計部 )農林水産省
・にんにく(公益財団法人 日本健康・栄養食品協会 平成24年度 「食品の機能性評価事業」 結果報告)
・にんにくの機能性成分(アホエン)を増やす加工法の開発(独立行政法人青森県産業技術センター 農産加工だより56号 H26.3.14))
・にんにく(健康食品の安全性・有効性情報/国立健康栄養研究所)
その他